NEC AVD-700
¥125,000(1986年頃)
解説
16ビットデジタルディレイを搭載したAVサラウンドデコーダ。
NECが独自で開発した2ch独立16ビットデジタルディレイを搭載しており、アナログ信号を1度AD変換し、デジタル化してコントロールすることにより、特性を大幅に改善しています。
この回路は、16ビット直線逐次比較型A/Dコンバーター、64kbitS-RAM、新開発アドレスコントロール用ICで構成されており、AVD-700では2系統搭載しています。これにより左右独立で1~92msecの範囲で、1msecごとの遅延時間の調整を可能にしています。
ドルビーサラウンドに対応しています。AVD-700では、部屋の大きさやリスニングポイントに応じてディレイタイムを調整できます。
デジタルエコーによるホールサラウンド機能を搭載しています。
AVD-700では、コンサートホールの自然な臨場感を得るため、タイムディレイエコーを用いる方法を採用しており、メインスピーカーは通常のステレオ再生で、後方または前方サラウンドスピーカーからは、コンサートホールを想定した反射音であるL+Rの複合信号にエコーをかけたものを再生しています。
反響遅延時間は、デジタルディレイによってそれぞれ独立して1msecステップで調整でき、エコー量(反響量)はエコーコントロールで調整できます。
マトリックスサラウンド機能を搭載しており、左右の信号を少し混ぜ合わせた2ch信号をフロントから、リアからは反対chの逆相成分を加えた信号を出力することで、サラウンド感を得ています。
クリエイションサラウンド機能を搭載しており、自分の好みの信号処理を加えて再生することが可能です。
この機能では、メインスピーカーL/Rに正相または逆相の他のchの信号をミックスすることや、サラウンドスピーカーL/Rに正相または逆相の他のch信号をミックスできます。さらに、デジタルディレイやデジタルディレイエコーをかけることも可能です。
L/R各chに反対chの信号を少し混ぜ合わせることで音場を変化させることが出来るミックスレベルコントロール機能を搭載しています。
ソース入力や各サラウンドの切替、ディレイタイム選択、エコーのon/off、ボリュームの調整が可能なワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンではメモリー機能として、サラウンドポジション、ディレイタイム、ボリューム、インバートSWなどのポジションを3種類まで記憶させることが可能です。
機種の定格
型式 | AVサラウンドデコーダ |
サラウンド形式 | ドルビーサラウンド ホールサラウンド マトリックスサラウンド クリエイションサラウンド |
<遅延回路> | |
方式 | 16ビット直線量子化AD/DAx2ch 2ch独立可変(範囲1~92ms、1ms step) ※ドルビーサラウンド使用時:15ms~30ms |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
周波数特性 | 10Hz~20kHz ±0.5dB以内 |
遅延時間 | 1ms~92ms(1msステップ可変) |
<デジタル系> | |
SN比 | 90dB |
ダイナミックレンジ | 90dB |
全高調波歪率 | 0.02% |
<アナログ系> | |
SN比 | 100dB |
全高調波歪率 | 0.005% |
Video入力端子 | 1Vp-p/75Ω、5系統 |
Video出力端子 | 1Vp-p/75Ω、4系統 |
Audio入力端子 | 150mV/47kΩ、10系統x2ch |
Audio出力端子 | out1、2:1V/1kΩ、2ch selector out:150mV/1kΩ、1系統x2ch |
Center ch出力端子 | 1V/150Ω、2系統 |
<その他> | |
消費電力 | 33W |
外形寸法 | 幅430x高さ80x奥行き340mm 幅430x高さ90x奥行き361mm(最大) |
重量 | 7.3kg |
付属 | ワイヤレスリモコン AR-700 |