NEC AV-300typeII
¥89,800(1986年頃)
解説
デジタルディレイを搭載したAVサラウンドセンター。
デジタルディレイを搭載しており、アナログ信号を1度A/D変換し、デジタル化してコントロールすることで、特性の大幅な改善を実現しています。
この回路には、16ビット直線逐次比較型A/Dコンバーター、16KbitS-RAM、アドレスコントロール用ICで構成されており、15/20/30msecのディレイタイムを設定できます。
サラウンドモードとして、ドルビーサラウンドとホールサラウンド、マトリックスサラウンドの3つのモードを搭載しています。
ドルビーサラウンドは、通常の2ch信号に加えて(L-R)の差信号に微妙な時間遅延をかけることでサラウンド情報を得ています。また、ホールサラウンドでは、前方スピーカーは通常のステレオ再生、後方のサラウンドスピーカーからはコンサートホールを想定した反射音(L+R)の複合信号にエコーをかけて再生しています。
マトリックスサラウンドでは、左右の信号を少し混ぜ合わせた2ch信号をフロントから、リアからは逆に反対chの逆相成分を加えた信号を再生しています。
現在のサラウンド・コントロール状態がどうなっているかを一目で確認できるサラウンドインジケータを搭載しています。
必要ない場合はオフにすることも可能です。
ホールサラウンド再生時に、好みに合わせてサラウンドのエコー量を調節することが可能です。
フル・ミュートスイッチを搭載しており、一気に全ての音を止めることできます。
全てのチャンネルを同時に音量調整できるマスターボリューム、フロント2ch/リア2ch/R側2ch/L側2chがコントロールできる4モードバランスボリューム、各チャンネル単独ボリュームの3種類のボリュームを搭載しています。
シンセティックステレオ機能を搭載しており、モノラル信号をデジタル信号処理回路を通すことで、擬似的にステレオ化できます。
サラウンドが不要な場合のために、バイパスポジションを搭載しています。
フロントとリアのそれぞれの音質を調節できるトーンコントロールを搭載しています。
不鮮明な映像の輪郭を補正しよりクリアな映像を再現するイメージエンハンサを内蔵しています。
エンハンス量は3dBと6dBの2段階の切換えが可能です。
4ch独立のパワーアンプを搭載しています。
このアンプはBTL接続により2chアンプとしての使用も可能です。
各サラウンドの切換えやディレイタイム選択、各chのボリューム調整が可能なワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンではメモリー機能により、サラウンドポジション、ボリューム、ディレイタイムなどを3種類まで記憶できます。
機種の定格
| 型式 | AVサラウンドセンター |
| <アンプ部> | |
| 実効出力(1kHz、5%、6Ω) | 50Wx4 100W+100W(BTL時) |
| 全高調波歪率 | 0.03%(20W出力時) |
| SN比 | Main in:100dB |
| 入力部 | 音声:ステレオ3系統、モノ2系統 映像:4系統 |
| 入力感度/インピーダンス | 音声入力:150mV/47kΩ 映像入力:1Vp-p/75Ω |
| <プロセッサ部> | |
| サラウンド形式 | ドルビーサラウンド ホールサラウンド マトリックスサラウンド |
| 遅延方式 | 16ビット直線量子化(デジタル) |
| 遅延時間 | 15、20、30msec |
| <総合> | |
| 消費電力 | 165W |
| 最大外形寸法 | 幅430x高さ110x奥行340mm 幅430x高さ122x奥行359mm(最大) |
| 重量 | 9.5kg |
| 付属 | ワイヤレスリモコン AR-301 |