オーディオの足跡

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CR-40の画像
 解説 

高級コントロールアンプの開発で培われた最新のアンプテクノロジーをフィードバックして開発されたカセットデッキ。

ヘッド部には完全独立構成のディスクリート3ヘッドシステムを採用しています。
この方式では各ヘッドが完全に独立してうるため、コンビネーション3ヘッドで実際の録音時に発生していた磁気的なアジマスずれによる高域特性の劣化を防いでいます。
また、ナカミチ独自のヘッドアライメントシステムを採用しており、堅固なメインベースに組み込まれた調整ネジによって各ヘッドの高さやアジマス、チルト(前後のアオリ)を実際にテストテープを走らせながら一台ずつ厳密に調整することで、特性を極限まで追い込み、常に安定した超高域再生を可能にしています。

ヘッドにはクリスタロイヘッドを採用しています。
このヘッドでは、コア部にクリスタロイ薄材をラミネートして使用しており、材料に一切のストレスを与えない化学的プロセスによって全ての作業を行うことでヘッドの高域損失を最小限に抑えています。これにより、同じ20kHzの録音・再生でもヘッド損失をアンプ部で補償する一版のデッキに比べて音の分解能や伸びやかさの点で差をつけています。
また、録音ヘッドにはナカミチ独自のフォーカスド・ギャップ方式を採用しており、極めてシャープな磁界を発生させることでテープ深層への録音を可能にしています。この方式で録音されたテープは、全帯域にわたって広大なダイナミックレンジを確保でき、さらに減磁しにくいため長期保存に適しています。
さらに、ヘッドを小型化することでS/Nの良さを追求しています。一般に小型ヘッドではコンターエフェクトによる低域のうねりが出やすくなりますが、小さくても低域のうねりが出ないよう改善することでこの問題を解消しています。

アンプ部にはCRシリーズのために新開発された全段DC構成のリファレンスDCアンプを採用しています。
再生アンプは完全ディスクリート構成となっており、回路が複雑化する差動方式を敢えて避け、シンプルな回路でローノイズ化と安定化を達成することで動特性を向上しています。また、録音アンプは純A級動作となっており、録音ヘッドの性能を引き出しています。
さらに、ラインアンプやヘッドホンアンプもDC化することでオーバーオールで高い特性を獲得しています。

ロジック部やバイアス回路などのオーディオ部への干渉や、各パートの電源電圧のフラつきを改善するため、ナカミチのCDプレイヤーでも採用されているマルチレギュレーテッドパワーサプライを電源部に搭載しています。独立2巻線トランス、3基のマスターパワーレギュレーター、10基のローカルパワーレギュレーターで構成することで、電源をめぐる相互干渉を遮断しています。

録音キャリブレーション機構には15kHzのテストトーンを採用しており、8kHzなどの低い周波数で調整するデッキに比べてシビアな調整が可能になっています。

駆動モーターにはブラシレス・スロットレス・コアレスタイプのDDキャプスタンモーターを採用しています。
このモーターでは滑らかな回転を生む重量級モーターの採用と、ヒアリングテストによる音質追求によって、聴感上のフラッター成分を極限まで抑えています。

メカニズム部には周波数分散型クローズドループ・ダブルキャプスタン方式を採用しています。

専用モーターとマイクロプロセッサーによるサイレントメカニズムを採用しており、静粛で安定した動作を実現しています。

カッパータイト(銅メッキ)シャーシを採用しており、磁気歪を低減するとともに共振を抑えています。

アンプ基板には無酸素銅パターンを用いたデュアルモノ構成を採用しています。

無酸素銅ACパワーコードを採用しています。

アコースティックインシュレーターを搭載しています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーB-C NRを搭載しています。

独立イコライザースイッチを搭載しています。

テープたるみ防止機構を搭載しています。

アウトプットボリュームを搭載しています。

システムリモート端子を搭載しています。

ヘッドホン端子には金メッキ端子を採用しています。
また、入出力端子にも金メッキ入出力端子が採用されています。

金メッキ・無酸素銅ピンコードが付属しています。

内部には約30箇所の調整機構が設けられており、製造工程において全項目を入念に調整することで各個体の誤差をギリギリまで追い込み、優れた特性を獲得しています。
例えば、一般的なカセットデッキではバイアス調整用の半固定ボリュームがL/R各一個しか無いため、3つのテープポジションのうち1つしか正確に調整できません。これに対し、CRシリーズではL/R用として合計6個の半固定ボリュームを搭載しており、全ポジションでの特性を限界まで追求することで、ノーマルポジションでも優れた音質を獲得しています。
さらに、完璧に調整されたデッキに対して、実に56項目にも及ぶ特性実測が行われ、あらゆる項目を厳密に1台1台測定し、十分にスペックを満たした個体のみ出荷されています。

機種の定格
型式 カセットデッキ
周波数特性 20Hz~21kHz ±3dB(録音レベル-20dB、ZX(typeIV)、SX(typeII)、EXII(typeI)テープ)
総合S/N(70μs、ZX(typeIV)テープ) ドルビーCタイプNR on:72dB以上
ドルビーBタイプNR on:66dB以上
ワウ・フラッター 0.024%以下Wrms
±0.045%以下Wpeak(EIAJ)
歪率(ZX(typeIV)テープ) 0.4%以下(EIAJ)
0.8%以下(全高調波、400Hz、0dB)
付属機構 録音キャリブレーション
独立イコライザースイッチ
MPXフィルター
ワンタッチレックポーズ
レックミュート
タイマーレック/プレイ機構
メモリーストップ機構
オートリピート機構
テープたるみ防止機構
消費電力 最大31W
外形寸法 幅430x高さ100x奥行265mm
重量 約5.9kg
別売 リモートコントロールユニット RM-5(¥6,000)