MICRO CD-M2
¥270,000(1987年発売)
解説
マイクロ独自の制振テクノロジーを投入して開発されたマイクロのCDプレイヤー1号機。
ピックアップ部にはフィリップス社製のシングルビーム式/スイングアーム型精密メカニズムを採用しています。
デジタルフィルターには16ビット4倍オーバー・サンプリング方式のデジタル・フィルターを採用しており、サンプリング周波数を4倍の176.4kHzにすることで、オーディオ信号を妨害する高次の量子化ノイズをカットし、可聴帯域外に追いやっています。これにより減衰特性の緩やかな3次ベッセル・フィルターが使用でき、歪率を低減しています。
D/A変換部には左右独立のツイン・タイプとなっており、ダイナミック・エレメント・マッチング型のコンバーターを採用して高精度な変換を行うことで両チャンネルのデジタル情報を同時にD/A変換し、チャンネル間位相差のない音を実現しています。
電源トランスには、ショートリング、ハムプルーフ・ベルト、銅メッキ鉄製シールド・ケースの三重構造によるシールディングを施し、フラックス漏洩を防いでいます。
さらに、デジタル部、アナログ部、サーボ部、FL(表示)部をそれぞれ独立電源方式とすることにより、ロジック回路のパルスがオーディオ回路へ混入する不要輻射、SN比や歪率の悪化、DAコンバーターに現れる低レベルの量子化ノイズ等の問題を解消しています。
アナログ回路とデジタル回路の干渉を防ぐため、銅メッキ鉄製ケースによってデジタル基板とアナログ基板を別個に完全シールドすることでアイソレーションを図っています。また、アース・ポイントにも細心の注意を払うことで、電磁/パルス干渉によるアナログ回路への影響を極小に抑えています。
トップパネルには強靭性や制振性に優れた新合金COSMAL-ZM11使用の亜鉛-アルミニウム合金を採用しています。
さらに、鉛/高純度フェライト制振材とダンピング・アロイの三重制振設計を施した銅合金製パネルを採用するとともに、シャーシ・フレームにも亜鉛ダイキャストを使用しています。これにより内部振動や外部振動をシャットアウトしています。
また、ソリッドウッド・ブラジリアン・ローズ製サイド・パネルによって振動モードの効果的な分散を図っています。
インシュレーターには、ダンピング・アロイとフェライト制振材、フェルト複合構造のマイクロHAI-60を使用しています。このインシュレーターはリバーシブル・タイプとなっており、裏返してリベット3点支持型としても使用することができます。
通常のアナログ出力に加え600Ωのキャノン型バランス出力を搭載しています。
出力トランスには、バイファイラー巻き、5重サンドイッチ巻き、ならびに4重スタチック・シールドが施されています。
光と同軸の2系統のデジタル出力を搭載しています。
電源のオン/オフ、ディスク・トレーのオープンを除く全ての機能をリモート・コントローラーで操作できるワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンは、本体のサイドウッドと同じブラジリアン・ローズ材を用いた台にセットできます。
機種の定格
型式 | コンパクトディスク・ディジタル・オーディオシステム |
方式 | 16ビット4倍オーバーサンプリングツインDAC 3次ベッセルフィルター |
チャンネル数 | 2チャンネル |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.1dB |
全高調波歪率 | 0.0015%以下(1kHz) |
S/N比 | 104dB以上(1kHz) |
クロストーク | -100dB以下(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 96dB以上 |
出力レベル | アナログ・アウト:2V RMS バランス・アウト:1mW/600Ω デジタル・アウト:0.5p-p/75Ω |
出力型式 | アナログ・アウト アナログ・バランス・アウト デジタル・アウト オプティカル・アウト |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
外形寸法 | 幅450x高さ100x奥行330mm |
重量 | 22kg |
付属 | 10キー付リモコン CDR-M2 キャノンプラグ-RCAピンプラグ出力ケーブル2本 |