オーディオの足跡

PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

VF-3000Eの画像
 解説 

マイクロ精機がそれまでにMM型カートリッジの決定版として発表してきた、M-1007シリーズ、M-2000シリーズでの経験と、研究開発の結果をもとに開発した、VF(バリアブルフラックス)型ステレオカートリッジ。

独自の精密加工技術の開発により、日本で初めて、カンチレバーの断面積及び、形状を一体のまま変化させる事に成功しています。
カンチレバーの後部は角柱状にし、この中に振動体を納め、またこの角柱状より円柱部に変化する部分をコニカルにし、その上特殊硬化処理を施しています。
これによりカンチレバーは一つの剛体と見なすことができ、従来では困難であった鋭いトランジェントや低域における大振幅のピックアップ力を向上しています。

ダンパー部分にはツイン・ダンパー方式を採用しており、硬度・粘性・弾性の異なる2種類のダンパー材を、貼り合わせる事無く、成型の段階で一体化することに成功しています。
このツインダンパーは2種類の特性の異なるダンパー材の合成体となるため、従来のダンパーで得られなかった特殊な特性が得られています。

特殊なツインダンパーにより、コニカルカンチレバーの最後部を支持しているため、コンプライアンスが大きく、振動体の変化を磁束の変化として取り出す事ができています。
また、ハイコンプライアンス化にともない、針先の音溝に対する追従性が向上し、高域の共振点を高く取れるようになっています。

針先には長径0.8mil短径0.3milのナチュラルダイヤ楕円針を採用しています。
楕円針の採用により、丸針と比較してピンチ効果歪、トレーシング歪が少なく、25kHz以上の周波数特性を実現し、さらに高域のチャンネルセパレーションを改善しています。

針交換はモールドチップによるプラグイン方式となっているため、MM型と同じ感覚で交換可能です。

トーンアームへの取付は、ネジ穴がJIS及びEIA規格となっているため、この規格に基くトーンアームではそのまま取付が可能です。

機種の定格
型式 VF型カートリッジ
周波数特性 20Hz~30kHz
出力電圧 5mV(1kHz、5cm/s)
チャンネル・バランス ±0.5dB(1kHz)
チャンネル・セパレーション 25dB(1kHz)
負荷抵抗 50kΩ
コンプライアンス 19x10-6cm/dyne
針圧 1.5g~3g
スタイラス 0.3x0.8mil楕円針
交換針 V-3000E(¥6,000)
取付寸法 JIS、EIA
自重 9g