MICRO MA-77
¥7,200(1965年頃)
解説
ボールベアリングによるバランス機構を搭載した14"型トーンアーム。
回転機構には、バーティカルとラテラルの両方向共にマイクロサイズのボールベアリングを使用しています。
パイプ部には軽合金パイプを採用しています。
さらに、パイプ自体の強度や他の部品との結合方法に検討を加えており、適切なゴムダンパーの使用によって音質やレコードを損なう有害共振を排除しています。
安定度の高いスタティックバランスタイプとなっており、単純で確実なサブ・ウエイトによる針圧印加方式を採用することでメカニズムの複雑化に伴うトラブル発生を防いでいます。
MA-77では偏心メインウエイトによってラテラルバランスの調整が可能です。
メインウエイトを回転させることでアームの重心が変化します。
針圧の調整は直読方式となっており、リニアスケールによってクリティカルな調整が針圧計無しで行えます。
出力をプラグインコネクターによって取り出しているため、リード線ハンダ付け等の工作が不要です。
また、アーム内部を通るリード線には回転感度に対する影響を考え、0.05φ組合せ単線を使用しています。
ヘッドシェルは軽量タイプを使用しています。
インサイドフォース打ち消し用のメカニズムが付属しています。
アーム平行ゲージを搭載しています。
アームの高さを調整する時にターンテーブル面に対する平行状態が一目でわかります。
インサイドフォースの打ち消しについては、トラブルを軽減させるためにあらかじめアームの外周方向へ動かせる力(アウトサイドフォース)を加えてアームの動作や特性を改善させるためのメカニズム(バイアス・カーソル、バイアス・ウエイト)を付属させています。
このメカニズムはバイアス・ウエイトの糸をバイアス・カーソルの溝にかけて使用します。この場合、アームの回転中心より見て外側の溝へ糸をかけるほどアウトサイドフォースが大きくかかるため、針圧やレコード面の状態によって調整できます。
付属品と同じヘッドシェルが別売りオプションとしても販売されていました。
※バランス及び針圧の調整法
針圧印加用サイド・ウエイトはカーソルの一番根元の針圧ゼロの位置にします。
この状態でメイン・ウエイトをスライドさせてアーム平行ゲージの指針がパイプ・アームの側面のマークと重なった時に完全にアームの前後の質量バランスがとれた状態となります。
この位置でメインウエイトをロックし、サイドウエイトを目盛りに従って希望位置まで前方へスライドさせて固定します。
なお、極端に軽いカートリッジでバランスを取ることが難しい場合は付属のウエイト板をカートリッジとシェルの間に挟んでバランスを取ります。
機種の定格
型式 | スタティックバランス型トーンアーム |
トラッキングエラー | 最大値:+1.0゜、-1.3゜ 内周(中心→68mm):0゜ 外周(中心→125mm):0゜ |
ヘッドシェル自重 | 12g |
使用可能カートリッジ重量 | 15gまで |
別売 | ヘッドシェル(¥800) |