MICRO M-2000/5
M-2000/5:¥7,900(1966年頃)
M-2000/e:¥9,700(1966年頃)
解説
M-1007シリーズで培った技術やデータを基に、マイクロM-2000シリーズのステレオカートリッジとして開発されたMM型カートリッジ。
M-2000/5にはダイヤ針を採用しており、M-2000/eには楕円針を採用しています。
軽合金パイプ型カンチレバーの優れた特質を発揮するため、極端な曲げ加工や変形を避け、ごく自然な形状でマイクロサイズの円筒状フェライトマグネットにはめ込み全体の質量のマイクロ化を図っています。
これによりマグネットとカンチレバーはほとんど一体となり、高域の共振点を高く取れるようになり、周波数特性の向上と高域のチャンネルセパレーションの改善を実現しています。
ダンパーには、材質選定のために数々の試作測定、ヒアリングテストを繰返して開発された特殊ゴムを採用しています。これにより、実効マスのマイクロ化とあいまってコンプライアンスの向上や高域のノビに加え、低歪化を実現しています。
磁気回路にはバランスの良く取れた4ポール4コイル方式を採用しています。
この方式はフラックスをロスなく有効に利用できるため、小型マグネットにもかかわらず5mVの出力電圧を取り出すことを可能にしています。
また、歪が少なくスーパーパーマロイで完全シールドすることで、S/Nを改善しています。
スイス製のナチュラルダイアモンド・チップを一本ごとの厳密なチェックをへてマウントしており、より高品質化を図っています。
針交換はモールドチップによるプラグイン方式となっており、振動系をそのまま簡単に交換できます。
トーンアームへの取り付けは、ネジ穴がJISおよびEIA規格となっているため、規格に適合したトーンアームにそのまま使用可能です。
針圧は1g前後が適正針圧となるように設計されています。
機種の定格
型式 | MM型カートリッジ | |
型名 | M-2000/5 | M-2000/e |
周波数特性 | 20Hz~25kHz | 20Hz~28kHz |
出力電圧 | 5mV(1kHz、5cm/s、45゜Modulation) | |
チャンネル・バランス | ±0.5dB(1kHz) | |
チャンネル・セパレーション | 25dB(1kHz) | |
負荷抵抗 | 50kΩ~100kΩ | |
直流抵抗 | 800Ω | |
インピーダンス | 3kΩ(1kHz) | |
コンプライアンス | 8x10-6cm/dyne | |
針圧 | 1.5g(min:0.5g、max:2g) | |
スタイラス | 0.5milダイヤモンド | 0.25x0.7mil楕円型 |
交換針 | V-2000/5(¥3,300) | V-2000/e(¥5,100) |
取付寸法 | JIS、EIA、スタンダード | |
自重 | 9g |