オーディオの足跡

PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

CLSIIの画像
 解説 

CLSの改良型にあたる静電型スピーカーシステム。

CLSにはエレクトロスタティック型を採用しています。
エレクトロスタティック型は超軽量な振動膜が静電応力によって振幅する構造となっており、分割振動が無く、低歪、平坦な位相、高速応答を実現しています。
振動膜にはマーティン・ローガン独自のものを採用しています。この振動膜の実効質量は1立方インチの空気よりも軽く、従来のエレクトロスタティック型の中で最軽量を実現しています。この軽量化によって従来のハイファイ・スピーカーよりも2桁も小さな0.05%以下という低歪を実現しています。また、振動膜を水平方向に湾曲させる新技術によって広いリスニングエリアを獲得しており、ステレオ再生に理想的な線音源としています。

エレクトロスタティック型は原理上、表面に高圧を帯電させるため、導電体としてカーボンや金属の微粉末が塗られています。しかし、この導電体を均一に塗るのは非常に難しいため、厚く塗られた箇所に電荷が集中して帯電ムラが発生し、音質に悪影響を与えていました。
この問題を解決するため、マーティン・ローガンでは振動膜面から2ミクロンの深さに導電体を打ち込んでしまう新技術を開発し、電荷の移動の無い均一な帯電を実現しています。
また、この方式は長期的に安定性があり、コーティングと違い欠けたり剥げたりしないというメリットを持っています。しかも、質量の増加を少なく抑えることができます。
この帯電された振動膜に静電応力を与える電極は、堅牢で絶縁特性に優れたデルリンで皮膜されており、安全性を向上させています。

エレクトロスタティック型では、ユニットとパワーアンプの間にインターフェイスモジュールを使用しています。
CLSIIではこのインターフェイスモジュールの完成度を高めるため、大容量のマッチングトランス2つをブリッジ接続にして耐圧特性を大幅に向上し、大入力時の駆動力に余裕を持たせています。
また、コンデンサーには音質を十分に吟味したハイ・グレード・ポリプロピレン・フィルムコンデンサーを使用し、さらにシグナルパスからはコイルを排除しています。

振動板を帯電させるためのバイアス電源は定電圧化されており、出力インピーダンスを大幅に下げることでSN比を向上させています。

スピーカー端子には金メッキ処理が施されています。

フレームには無垢材が使用されており、ライトオーク、ダークオーク、ウォルナット、ブラックの4種類の仕上げがありました。

  • ネットワークボックス内部
  • ネットワークボックス
  • フレームのバリエーション
機種の定格
方式 1ウェイ・1スピーカー・静電方式・フロア型
ユニット等 全帯域用:静電型
周波数特性 33Hz~20kHz ±2dB
指向特性 水平:30度
垂直:120cm(線音源)
音圧レベル 86dB/2.83V/1m
最大入力 200W
インピーダンス特性
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 5W
外形寸法 幅710x高さ1,460x奥行370mm
重量 37kg
付属 スパイク・フィート