MARK LEVINSON No30.5L
¥2,800,000(1994年発売)
¥2,400,000(1995年頃)
解説
No30Lに最新のデジタル技術を投入し、さらなる高音質化を図ったD/Aコンバーター。
本体両サイドのタワー部分には左右チャンネル独立のアナログ回路がそれぞれ収納されており、中央部にデジタル回路を搭載する事で回路間の相互干渉を排除しています。
また、電源部も別筐体とする事で干渉を排除しています。
電源部はデジタル回路用と左右アナログ回路用の3系統の独立電源を搭載しています。
基板には独自の4層基板を採用しており、音楽信号、±の各電源、アースの各ラインをそれぞれ分離独立させています。これにより電源インピーダンスを低減し、さらに過渡特性を改善することにより時間軸歪の発生を抑えています。
カスタムメイドのVCXOs(Voltage Controlled Crystal Oscillators)を用いてFI-FOをコントロールしています。
この回路では入力されたデジタルデータを一旦メモリーバッファに蓄え、後からオリジナルの高精度オシレーターによるクロックを元に時間軸制御されたデジタルデータを再出力しています。これによりジッターを20ps以下に低減しています。
さらに入力データを常時監視し、メモリーに出し入れするデータを適切にコントロールする事でデータのオーバーフローを回避しつつバッファーのメモリー容量を小さくし、D/A変換時のディレイを抑えています。
デジタル回路には24ビット・デジタルフィルターとカスタムメイドの20ビット・デュアルD/Aコンバーターを採用し、フル20ビットD/A変換を実現しています。
HDCD専用デコーダーを搭載しています。
RCA端子によるデジタル入力を2系統搭載しています。
フロントパネルからのソース名入力が可能です。
No30Lからのバージョンアップに対応していました。
Level1ではデジタル部基板の交換と、XLRからRCAへの入力端子変更を2系統行っていました。
Level2ではLevel1に加えてフェイスプレートの交換も行っていました。
機種の定格
型式 | D/Aコンバーター |
デジタル入力 | XLRバランス:3系統 RCA同軸:2系統 STオプティカル:1系統 EIAJオプティカル:2系統 |
アナログ出力 | XLRバランス:2系統 RCAアンバランス:1系統 |
デジタル出力 | XLRバランス:2系統(モニター/REC) EIAJオプティカル:1系統 |
D/Aコンバーター | 20ビット・カスタムD/Aコンバーターx2 |
フィルター | 8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター ベッセル同調リニアフェイズ・アナログフィルター |
周波数特性 | 10Hz~20kHz +0dB -0.2dB |
全高調波歪率 | 0.001%以下(1kHz、0dB、A補正) |
ダイナミックレンジ | 98dB以上 |
SN比 | 105dB |
チャンネルセパレーション | 110dB以上 |
IM歪(SMPTE、IMD) | 0.005%以下 |
ローレベルリニアリティ | -70dB以下まで測定限界以下 -90dB以下まで約+1.7dB(ディザーなし、0dB、1kHz) |
出力インピーダンス | 6Ω以下 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 本体:幅492x高さ187x奥行392mm 電源:幅400x高さ133x奥行378mm |
重量 | 本体:15.8kg 電源:12.8kg |
その他 | No30Lからのバージョンアップ Level1(¥320,000) Level2(¥450,000) |