MARK LEVINSON No20.6L
¥1,600,000(1台、1992年発売)
解説
マークレビンソンが当時持っている最高レベルの技術と素材を投入したモノラルパワーアンプ。
電源部には600VAもの大容量トロイダルトランスを2個搭載した完全プラスマイナス独立構成としています。
また、電源部のコンデンサには極めてローノイズでインピーダンス特性に優れたポリエチレン型コンデンサをパラレルで接続し、さらに高速で大容量のレギュレーター回路によって出力段を含むパワーアンプ全段をコントロールしています。
入力段と電圧増幅段の両ステージはさらに改良が加えられており、デュアル基板による最新のAP-5/5・5オーディオボードを採用しています。
これにより新しいアクティブ入力回路の開発によってコモンモードノイズリダクションを10dB改善しています。さらにコンスタントDCバイアスを加える事で初段のβリニアリティを大幅に向上させています。
また、電圧増幅段ではブートストラップをコモンモードだけでなくディファレンシャルモードにおいても動作させており、オープンループゲインの増加と合わせてオープンループ帯域をNo20.5Lの2倍に拡大しています。そして、次段ではACバイアスによってブートストラップを一段と活用し、20kHz以上の広い帯域にわたる高い効果を獲得しています。
基板にはNo30LやNo26SLにも採用されたテフロン基板を採用しています。
テフロンは非常に高い周波数帯域まで優れた超低誘電率を誇ります。そして、その絶縁特性を利用したパーツレイアウトと基板配置によって全ての帯域での解像度の向上を達成しています。
保護回路から音質劣化の遠因となるリレーを排除しています。
入力端子には高信頼度CAMAC端子に加えXLR端子も搭載しています。
また、Inverting端子も搭載しており、No20.6Lを2台用いてブリッジ接続が可能です。
No20LやNo20.5Lからのグレードアップサービスが行われていました。また、フロントパネルをNo20.6Lのものに交換するサービスも行われていました。
(交換したサーキットボード、パワートランジスタ、フロントパネルはハーマン引取となっていました)
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
回路 | 全段ピュア・クラスAオペレーションによるコンプリメンタリープッシュプル回路 |
定格出力 | 400W(2Ω) 200W(4Ω) 100W(8Ω、20Hz~20kHz、THD0.1%以下) |
入力インピーダンス | 50kΩ |
入力端子 | CAMACコネクター及びXLR(キャノン)型コネクターを併設 また、ブリッジ接続のためのInverting Input端子搭載 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約500W |
外形寸法 | 幅483x高さ210x奥行560mm |
重量 | 33kg |
備考 | No20L/No20.5LからNo20.6Lへのグレードアップ No20LからNo20.6Lへ:サーキットボート、トランジスタ交換(¥325,000) No20.5LからNo20.6Lへ:サーキットボードの交換(¥237,500) フロントパネルをNo20.6Lに交換(¥72,500) |