MARK LEVINSON No20.5L
¥2,760,000(2台1組、1989年発売)
解説
No20Lをベースに音質を磨き上げて開発されたモノラルパワーアンプ。
No20LからNo20.5Lへの主な変更点として入力段~電圧増幅段における回路および回路素子の改良が施されています。
また、独特のモジュラーコンストラクションのメリットを活かし、1枚のプラグインPCボード(カード・モジュール)の作り変えで実現しています。
電源部には600VAの大容量トロイダルトランスを2台搭載し、完全±独立構成としています。また、電解コンデンサーには極めてローノイズでインピーダンス特性に優れた高品質ポリエチレン型をパラレルで接続し、さらに大容量で高速のレギュレーター回路を採用することで出力段を含むパワーアンプ全段をコントロールしています。
入力段と増幅段にはAP-4サーキットボードを採用しています。
電圧増幅段は差動2段のACアンプ構成、初段はNPNトランジスタによる差動回路としFETをカスコード接続させています。また2段目の差動アンプはカレントミラープッシュプル動作によるアクティブロード、さらに電圧増幅段は3段ダーリントン構成、ドライバー段がトリプルプッシュプル、出力段が8段パラ・プッシュプル構成となっています。
パワートランジスタには、世界中から選りすぐった幾つかの候補を再度特性的にテストし、そして、その中から残ったものを装着した長時間のヒアリングテストを実施し、ただ一つピックアップされたバイポーラ型トランジスタを採用してます。
保護回路は、音質劣化の要因となるリレーを排除し、万一の場合には電源をOFFにすることで対処しています。
入力端子には信頼性の高さで定評のあるCAMAC端子の他、XLR(キャノン)端子を備えバランス入力にも対応しています。
また、INVERTING端子を搭載しており、2台ブリッジ接続をさせることも可能です。
No20L用のAP-3サーキットボードからNo20.5L用AP-4サーキットボードへの交換、およびパワートランジスタ・セットの交換を内容とするグレードアップサービスが行われていました。また、フロントパネルをNo20.5Lのモデル名入りのものに交換するサービスも行われていました(AP-3サーキットボード、パワートランジスタ、フロントパネルはハーマン引取となっていました)
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
回路 | 全段ピュア・クラスAオペレーションによるコンプリメンタリープッシュプル回路 |
定格出力 | 400W(2Ω) 200W(4Ω) 100W(8Ω、20Hz~20kHz、THD0.1%以下) |
入力インピーダンス | 50kΩ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約500W |
外形寸法 | 幅483x高さ210x奥行560mm |
重量 | 33kg |
備考 | No20LからNo20.5Lへのグレードアップ サーキットボート、トランジスタ交換(¥358,000) フロントパネル交換(¥110,000) |