Marantz Model120
¥123,400(1972年頃?)
解説
Model10Bをトランジスタで再現するという思想から開発されたFM/AMチューナー。
小型オシロスコープを内蔵しており、チューニングの際の入力感度と歪最小点をディスプレイするだけでなく、マルチパス、オーディオ、エクスターナルと4通りに切換えて使用可能です。
チューニングノブには伝統のジャイロタッチ・チューニングを採用しています。
ミューティング回路は三種類の入力によりミューティングが動作するようになっています。
第一は入力信号の強さ、第二は検波回路の雑音状態、第三は検波出力の直流成分に関係しており、この三つの成分が適当に組み合わされて局間ノイズを押さえています。
スイッチのON-OFF時のクリックや、離調時の雑音を消すため、トランジスタを使用した専用回路を搭載しています。
フロントエンドでは、FETによるRF増幅が採用されており、トリプルチューンのRFフィルターを通ってFETのミキサー段に加えられます。
RF増幅と混合の段間がトリプルチューンのため5連バリコンとなっています。
ミキサー段は、電気的・熱的な安定性に注意が払われており、ドリフトを極小に押さえることでAFC回路は不要となっています。
IF増幅段は8素子のセラミックフィルターとICリミッタ段を含む7段増幅構成となっています。
セラミック・フィルターは位相特性の厳密にそろったものを組合わせて使用しており、歪や分離度を工場させています。
リミッターはゴールドボンド型ダイオードを使った対称型のものを3段含んでおり、そのダイナミックアパーチャーを狭くする事で不要なAM部分を除去しています。
出力はエミッタフォロアーで取り出しています。
ステレオ復調器は11石6ダイオード構成となっており、スイッチング後に2段NFアンプで増幅してローパス・フィルタに入りエミッタフォロアーで取り出します。
オーディオアンプは2段NF型を採用しています。
リアパネルにはミューティングレベル切換え、アッテネータON/OFF、アウトプット・レベル切換えのスイッチ類、オシロスコープのフォーカス調整ツマミなどを搭載しています。
また、4chFM放送に対応できるようQUADRADIAL端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
同調周波数範囲 | 76MHz~90MHz |
実用感度(IHF) | 2.3μV |
選択度(IHF) | 60dB |
キャプチャーレシオ | 1.6dB |
イメージ妨害比 | 90dB(88MHz) |
S/N比 | mono:70dB stereo:60dB |
全高調波歪率 | mono:0.15% stereo:0.3% |
周波数特性(50μsec、de-emphasis) | ±1dB(50Hz~15kHz) |
ステレオセパレーション | 42dB |
<AMチューナー部> | |
同調周波数特性 | 535kHz~1605kHz |
実用感度 | 20μV |
選択度 | 26dB |
イメージ妨害比 | 70dB(1400kHz) |
S/N比 | 46dB |
<オシロスコープセクション> | |
<Vertical Amplifier> | |
Deflection Sensitivity | DC:290mV/cm AC:65mV/cm |
入力インピーダンス | 420kΩ |
Input Capacitance | 30pF以下 |
Maximum Permissible Input Voltage | 100Vp-p(AC or DC) |
<Horizontal Amplifier> | |
Deflection Sensitivity | DC:400mV/cm AC:65mV/cm |
入力インピーダンス | 420kΩ |
Input Capacitance | 30pF以下 |
Maximum Permissible Input Voltage | 100Vp-p(AC or DC) |
<総合> | |
電源 | AC100V/120V/200V/220V/240V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅391x高さ147x奥行300mm |