Marantz Model 115B
¥75,000(1972年頃?)
解説
伝統のジャイロタッチ・チューニングを搭載したAM/FMチューナー。
ミューティング回路は、トランジスタ2石のノイズアンプと、トランジスタ2石、FET1石のスイッチング回路から構成されており、三種類の入力によって制御する方法を採用しています。
一つは信号の強さに基づき、第二は検波器における雑音の状態に基づき、三つ目は検波出力の直流成分に基づいており、これら三つのファクタの組合わせによって局間雑音を除去するだけでなく、同調まぎわに生じる不要信号も除去しています。
FMフロントエンド部は、4連バリコンでFET二段構成によるダブルチューン方式を採用しています。
IFアンプは、トランジスタ6石とフェイズリニアタイプのフィルタを6素子で構成されています。
リミッタ用にホットキャリア・ダイオードとトランジスタによる多段の対称型リミッタ回路を搭載しており、ダイナミックアパーチャは非常に狭くなっています。これにより、AM変調成分などの不要な成分は取り除かれています。
MPX部にはPLL方式のICを採用しています。
ステレオ/モノラル自動切替回路を搭載しており、入力信号をチェックしてそれがステレオとしての品質を保証できるものの場合は、自動的にステレオ復調器を動作させ、ステレオランプが点灯します。
また、入力信号が十分な強さでないときは、自動的にモノラル信号に変換しています。
モノラルスイッチを搭載しています。
ハイブレンドスイッチを搭載しており、極端な雑音や干渉を含んだ弱いFM信号に対して逆相雑音を抑制する働きをします。
アッテネータースイッチを搭載しており、INにすると信号は約20dB減衰されてアンテナコイルに加えられます。
4ch放送に対応してQUADRADIAL OUTPUT端子を搭載しています。
トランス、FMフロントエンド、AMチューナー部およびサプライなどは、黒いカバーを取り付け不要な輻射を防止しています。
AMチューナー部は、RF増幅器、Local Osillator Mixer、IF増幅器、検波回路およびSignal
strength indicator用増幅器を一つのパッケージに収めたIC1個と検波されたオーディオ信号を増幅するトランジスタ1個から成っています。
また、RF増幅部には3連バリコンを使用した二つの同調回路を持っています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
同調周波数範囲 | 76MHz~90MHz |
実用感度(IHF) | 2.3μV |
クワイエティングスロープ | 5μV:53dB 10μV:57dB 50μV:70dB |
IF妨害比 | 96dB |
イメージ妨害比 | 70dB |
スプリアス妨害比 | 96dB |
AM抑圧比 | 60dB |
選択度(IHF) | 60dB |
キャプチャーレシオ | 1.6dB |
S/N比 | 70dB |
ステレオセパレーション | 42dB(1kHz) |
高調波歪率 | mono:0.15% stereo:0.3% |
周波数特性(50μsec、de-emphasis) | ±1dB(50Hz~15kHz) |
<AMチューナー部> | |
同調周波数特性 | 535kHz~1605kHz |
実用感度 | 20μV |
選択度 | 26dB |
イメージ妨害比 | 70dB(1400kHz) |
S/N比 | 46dB |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
外形寸法 | 幅390x高さ146x奥行300mm |
重量 | 本体:8kg 梱包重量:13.6kg |