解説　

10Bなどで知られるマランツのチューナー技術を活かして開発されたFM/AMチューナー。
マランツU.S.Aが設計・チェックを行い、出荷していました。

チューニングはマランツ独自のジャイロタッチ・チューニングを採用しています。
これは、大型のフライホイールを直接まわす方式のため、なめらかに、正確にチューニングができます。

ミューティングは、3種類の入力によって制御するような方法をとっています。
1つは信号の強さに関係し、2つ目は、検波器における雑音の状態に関係し、3つ目は検波出力の直流成分に関係しています。
この3つの組合わせによってミューティングが動作するため、局間ノイズやスプリアスを完全にシャットアウトしています。
しかも、入局・離局の際に発生する刺激的なポップ・ノイズも抑えられています。
また、スレッシュホールド・ツマミで、ミューティングレベルを変える事が出来ます。

フロント・エンドはミキサー段にFETを使用し、IF段は、旧20Bと同様の設計思想で、6個のセラミック・フィルターとリミッター4段で構成されています。
そしてリミッターは、ホットキャリア・ダイオードを用い、ダイナミック・アパチャーを非常に狭くしているため、不要なAM部分は除かれ、キャプチャーレシオも良くなっています。
また、MPX段もコイルをエポキシで密封して使うなど安定性と信頼性の向上に留意しています。

4チャンネルデコーダー用の出力端子を設けています。

機種の定格

型式	FM/AMチューナー
<FMチューナー部>
感度	1.9μV75Ω(IHF)
セパレーション	42dB(1kHz)
キャプチャーレシオ	1.6dB
歪率	mono:0.15% stereo:0.3%
スプリアス妨害比	95dB以上
イメージ比	70dB以上
AM抑圧比	60dB以上
IF妨害比	90dB以上
選択度	60dB以上
SN比	mono:70dB以上 stereo:60dB以上
<AMチューナー部>
感度	20μV以上
<総合>
外形寸法	幅390x高さ146x奥行300mm
重量	7.9kg