Marantz SD930
¥150,000(1983年頃)
解説
MAACやCompu-Bias、dbxなどの技術を投入し高音質化を図ったステレオカセットデッキ。
独自のアジマス自動調整機能であるMAAC(Marantz Auto Azimuth Control)を搭載しています。
MAACは専用に開発された4スリットヘッドとIC、ピエゾ(圧電セラミック素子)によるアクチュエイタードライブ、アジマスエラー量をリアルタイムで表示するMAACフェイズインジケーターで構成されており、正確なエラー検知と世界最高速3/100秒の瞬時応答アジマス補正を可能としています。
1チップMAAC専用ICは、MAACヘッドが再生する4つの信号を処理するために独自開発されたもので、位相比較、パルス変換、データ処理を1チップのIC内で行う事によって高い信頼性を実現しています。
Compu-Biasシステムを搭載しており、バイアス、レベル、イコライザーの最適値をコンピューターが自動設定します。マイコン制御により、各チャンネルについてバイアス、レベル、イコライザー(7kHz・15kHzの2ポイント)の調整を32ステップ、約10秒で完了します。レベルとイコライザーについては、3回繰返して追い込み調整されています。
最適録音状態の設定は、1種類のテープに対して片chあたり4データ計8データで記録できます。また向上出荷時にメモリーされる、ノーマル・クローム・メタルの3種類24データに加え、各テープポジションに1メモリーのユーザーメモリーを装備しており、最大6メモリー48データをバッテリーバックアップにより保存します。
dbx、ドルビーC・Bの3種類のノイズリダクションを搭載しており、録音ソースや再生テープのノイズリダクションに応じて使い分けが可能です。
dbxは全可聴周波数範囲で30dB以上ものノイズ低減効果を得ており、高レベル録音にも歪を発生しない広ダイナミックレンジを獲得しています。
また、従来のドルビーBに加えドルビーCを搭載しており、ドルビーBの約10dB(1/3)に対して、3倍に相当する20dB(1/10)のノイズを低減します。
メカニズムには204極102パルス全周積分型パルスサーボDDモーターを採用しており、さらにミクロンオーダーの精度を誇る2重シャーシ構造BLACK高精度メカニズムにより、スムーズなテープ走行を実現しています。
前後30曲自動選曲が可能なクイックミュージックセンサー(QMS)を搭載しています。
頭出しをする曲までの飛越し曲数はFLカウンターにデジタル表示されます。
1曲/全曲リピート機能を搭載しています。
自動的にテープのたるみを巻き取るAuto Slack Take up機能を搭載しています。
録音/再生/早送り/巻戻しなど、あらゆる走行モードにおいてテープが巻き取られると、自動的にテープ走行が停止し、テープやメカに不要な負担がかからないよう配慮されています。
オーディオタイマーを使用して自動的に録音再生するタイマースタンバイスイッチを搭載しています。
別売りのワイヤードリモコンで離れた場所からの操作が可能です。
機種の定格
型式 | デジタルモニター・カセットデッキ |
トラック型式 | 4トラック2チャンネルステレオ |
録音方式 | 交流バイアス方式 |
ヘッド | 録音ヘッドx1 再生ヘッドx1 消去ヘッドx1 |
モーター | キャプスタンDDモーターx1 リールモーターx1 |
ワウ・フラッター | 0.025%(WRMS) ±0.05%W・Peak(EIAJ) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±3dB(メタルテープ) |
S/N比 | 55dB(EIAJ/ピーク録音レベル聴感補正) 85dB(dbx on) 75dB(Dolby C on) 65dB(Dolby B on) |
入力感度/インピーダンス | ライン:70mV/50kΩ マイク:0.3mV/600Ω |
出力レベル/インピーダンス | ライン:0.7V/2kΩ ヘッドホン:0.6mW/8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 35W |
最大外形寸法 | 幅416x高さ130x奥行310mm |
重量 | 7.5kg |
付属 | オーディオステレオ用RCA金メッキピンコードx2 |
別売 | ワイヤードリモコン RMC-1(¥6,000) |