Marantz SD-64
¥74,800(1984年頃)
解説
デジタルオーディオに対応するため、様々な機能やノイズリダクションシステムを搭載したカセットデッキ。
赤外線フォトセンサーとロータリーヘッドによるオートリバース機能を搭載しています。
赤外線フォトセンサーは、テープの磁性体部分とリーダー部分との反射率の差を検出し、ロータリーヘッドが直ちに回転してリバース動作を行います。
ロータリーヘッドは、往復両方向とも同じヘッドで録音・再生するため音質差がなく、アジマス調整が両方向に可能となっています。
メカニズムには、2Kバイト専用マイコン+3モーター(キャプスタン用、リール用、ヘッド移動用に各1モーター)を搭載し、確実で安定した動作を実現しています。
大型フライホイールを採用し、なめらかな回転を得ています。
新素材ルーロンを採用した新開発テンション機構のダイナミック・スタビリティ・テンション・システムにより動的に安定したバックテンションを保っています。
リバースデッキで問題となる往復での走行性能のばらつきを追放するため、ダブルダミーヘッドを搭載しています。
ロータリヘッドの両側にダミーヘッドを備え、テープ位置を正確に保ち安定したテープ走行を達成しています。
オーディオ回路は、入力から出力までカップリング・コンデンサをわずか2個としたDC構成となっており、ヘッド直結のDC構成は、位相特性を向上させています。
また、オーディオ系と各表示コントロールなどのロジック回路、電源回路を分離独立させ、影響を抑えて音質を向上させています。
ノイズリダクションシステムには、ドルビーB/C、dbxを搭載しています。
シンクロレコーディング機能を搭載しており、シンクロレコーディング端子を備えた機器(CD-84など)と組合わせる事で、再生機器のプレイヤースタートで録音スタートをコントロール出来ます。
ブランク・サーチ機能を搭載しており、録音済みテープの未録音部分の頭を見つけ、そこから約3分先まで再生確認の上、未録音部の頭まで戻り録音スタンバイ(REC/PAUSE)します。
クイック・リワインド機能を搭載しており、録音後に巻戻しスイッチを押すと、録音を開始した位置まで戻り、自動的に再生スタンバイ(Play/Pause)します。
ワンタッチで4秒間の無録音部分を作り、自動的に録音スタンバイするオート・レック・ミュート機能を搭載しています。
前後20曲の飛び越し選曲が可能なQMS(クイック・ミュージック・センサー)機能を搭載しています。
各曲の頭部分を10秒間ずつ再生するインデックススキャン機能を搭載しています。
メモリー機能を搭載しており、メモリースイッチ操作でテープ位置を記憶し、その位置でストップ、再生ができます。
再生スイッチを2回押すことで、1曲リピート再生が可能です。
アウトプット出力や、ヘッドホン出力をコントロールできるボリュームを独立装備しています。
ピーク・ホールド・レベルメーター、4wayデジタル・カウンターを中心とする大型ディスプレイを搭載しています。
マランツ・バス・システムを搭載しており、バランス・バス・システム搭載機種との接続で、リモートコントロールなどが可能になります。
機種の定格
型式 | デジタルモニター・カセットデッキ |
トラック型式 | 4トラック2チャンネルステレオ |
ヘッド | 録音・再生ヘッド 消去ヘッド |
モーター | キャプスタンモーター リールモーター メカニズム駆動モーター |
ワウ・フラッター | 0.028%(WRMS) ±0.05%W・Peak(EIAJ) |
周波数特性 | 20Hz~18kHz(メタル) 20Hz~17kHz(クローム) 20Hz~16kHz(ノーマル) |
S/N比 | 54dB(EIAJ、ピーク録音レベル聴感補正) ドルビーB NR ON時:10dB改善(5kHz以上) ドルビーC NR ON時:20dB改善(1kHz~10kHz) dbx NR ON時:30dB改善(1kHz) |
入力感度/インピーダンス | ライン:70mV/50kΩ |
出力レベル/インピーダンス | ライン:0.7V/2kΩ ヘッドホン:0.7W/8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 30W |
外形寸法 | 幅416x高さ118x奥行334mm |
重量 | 6.5kg |