Marantz RV450PRO
¥35,000(1989年頃)
解説
ドルビープロロジックデコーダーを搭載したサラウンドプロセッサー。
ドルビープロロジックサラウンドシステムは、音像定位と臨場感をより明確にするためにドルビー研究所が映画館用に開発したプロ用のサラウンドデコーダーとほぼ同じ回路を搭載し、映画館と同じ効果を再現する家庭用サラウンドシステムです。
ドルビーサラウンド録音には、フロントのL/R成分と人を包み込むサラウンド成分が複合された状態で記録されており、この成分を分離して再生することでサラウンド効果を実現しています。
RV450PROでは、方向性強調回路を搭載することで前後・左右のチャンネルセパレーションを従来の3dBから25dB以上に向上させています。また、L・R・S(サラウンド)の3チャンネル再生からL・R・C(センター)・Sの4チャンネル再生にすることによって、センターの音像を分離させ、正確に定位させています。
フロントチャンネルより20msec遅れた信号をサラウンドチャンネルが出力するデジタルディレイ回路を搭載しています。これにより従来のアナログ方式に比べてノイズを大幅に減らし、音像定位をより明確にしています。また、この回路にノイズリダクションシステムを採用することでサラウンドチャンネルのS/N比96dBを実現しています。
センターチャンネルに使用されるスピーカーの種類や大きさに合わせて自由に選べる3つのモードを搭載しています。
ノーマルモードは、左右のスピーカーよりもセンターチャンネルに小型のスピーカーを用いる場合に最適で、センタースピーカーからは100Hz以上の信号を出力し、方向定位には殆ど影響の無い100Hz以下の信号は左右チャンネルに振られています。
ワイドモードは、センターチャンネルのスピーカーに倍音を十分再生できるブックシェルフ型以上のスピーカーを使用する場合のモードで、方向性強調回路によって分離された出力がそのままセンターチャンネルに送られています。
ファントムモードは、センターチャンネルにスピーカーを使用しない場合のモードで、方向性強調回路によってセンターチャンネルの信号が左右に均等に分かれて再生されます。
ドルビープロロジックサラウンドモード以外に、ホールサラウンドとマトリックスサラウンドモードを内蔵しています。
ホールサラウンドは、ホールで聴いているような音のひろがりを得られます。また、マトリックスサラウンドモードは左右の中央に定位した信号をキャンセルし、間接音を強調するため、スポーツ中継などをよりリアルに再生できます。
テストトーン発生回路を内蔵しており、L・R・C・Sの各チャンネルをテストトーンが自動的に循環し、リスニング状況に応じたレベル設定が可能です。
L・R・C・Sの4チャンネルの音量を同時にコントロール可能なマスターレベルコントローラーを搭載しています。
また、センター出力とサラウンド出力を調整できるセンターボリューム、サラウンドボリュームも装備しています。
機種の定格
型式 | ドルビープロロジックサラウンドプロセッサー |
最大出力 | 25W(4Ω) |
全高調波歪率 | 0.03%(1kHz、20W) |
周波数特性 | フロント:40Hz~30kHz -3dB サラウンド:60Hz~6kHz -3dB センター:60Hz~30kHz -3dB |
入力感度/インピーダンス | 150mV/50kΩ |
ディレータイム | 20msec(デジタルディレー) |
SN比 | フロント、センター:80dB サラウンド:96dB |
最大外形寸法 | 幅420x高さ60x奥行200mm |
重量 | 3.3kg |