Marantz RV-55
¥118,000(1985年頃)
解説
CD開発で培ったデジタル技術を導入し、デジタルディレーを実現したデジタル・サウンド・フィールド・コントローラー。
オーディオ専用としてはじめてデジタル・ディレーを採用しており、CD開発を通して蓄積した技術を全面的に投入し、A/D・D/AコンバーターにはCDプレイヤーと同等のデバイスを搭載しています。
さらに、5バンドグラフィックイコライザやサブチャンネル用パワーアンプを搭載しています。
デジタルディレーでは、遅延(ディレー)信号と残響(リバーブ)信号を取り出し、直接音にブレンドすることで臨場感を復元しています。RV-55ではアナログ信号をデジタル化してディレー信号を取り出しており、A/D・D/AコンバーターはCDプレイヤーのデバイスと同じ16bitを採用しており、高SN比、広ダイナミックレンジを得ています。
デジタル化された信号は、リング・バッファに順次納められ、所定の時間差を保って読み出されますが、その精度を決定するメモリー容量は64kbitのものを搭載しています。
ディレータイムの演算にはマイクロコンピューターが用いられ、任意の遅延時間(0~99mS)が自由に設定可能です。また、RAMなどの信号制御にも1チップのマイクロコンピューター(8bit)を採用しています。
リバーブ回路には、専用のフィードバック回路を搭載し、遅延信号を入力へ戻して加算し、さらに逆チャンネルの入力へ戻すという方法を採用しています。これによって2次反射、3次反射と連続的に発生するリバーブ成分を再現しています。
また、リバーブ回路はチャンネル間の遅延時間設定を±15mSの範囲でシフト可能で、リスニングルームの音響条件が左右で大きく違う場合などの音響特性の補正にも活用できます。
ディレータイムのプリセットが可能で、up/downスイッチにより1mS刻みでセット可能です。
設定した最適値は、3ポイントまでメモリーでき、スイッチによってワンタッチで呼び出しできます。
入力部にマトリックス回路を搭載しており、左右チャンネルの差信号をコントロールし、センターに定位している音像のイメージを損なわずにサラウンド効果を付加する事が可能です。
映像系入出力端子を搭載しています。
サブスピーカー用のパワーアンプを内蔵しています。
5バンドグラフィックイコライザーを搭載しています。
メインシステムとサブ・システムの音量を同時にコントロールできるマスターボリュームを搭載しています。
また、サブシステムの音量バランスを調整するために、サブ専用ボリュームを搭載しています。
テープダビング回路を搭載しています。
機種の定格
型式 | ドルビープロロジックサラウンドプロセッサー |
実効最大出力 | 46W+46W(EIAJ、6Ω) |
ダイナミックパワー | 58W+58W(6Ω) |
定格出力 | 40W+40W(6Ω、40Hz~20kHz) |
全高調波歪率 | 0.03%(20Hz~20kHz、ディレーon) 0.01%(ディレーOFF) |
入力感度/インピーダンス | オーディオ:150mV/47kΩ ビデオ:1.0Vp-p/75Ω(不平衡) |
出力レベル/インピーダンス | オーディオ:150mV/600Ω ビデオ:1.0Vp-p/75Ω(不平衡) |
ディレータイム | 0~99mS(1mSステップ、可変) |
Lch/Rchのディレータイム差 | ±15mS(1mSステップ可変) |
周波数特性 | 10Hz~60kHz +0 -1dB |
SN比(IHF-A) | 80dB |
ダイナミックレンジ | 90dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅420x高さ100x奥行300mm |
重量 | 6.2kg |