オーディオの足跡

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SM1000の画像
 解説 

当時のマランツの持つ全ての技術を投入し、全てのコスト的な制約を一切排除して開発したステレオパワーアンプ。

片チャンネル400Wという大出力を、高品位に、しかも安定して取り出すために、パワーブロックを全段完全なプッシュプル構成としています。
しかも、PC200Wにもおよぶパワートランジスタを片チャンネル18本使用。3本ずつ6つのグループにわけ、6つのドライバーで駆動。hfeのリアリティの最良の部分だけを使った贅沢ない回路です。
独自のLow-TIM設計で、オープンループゲインを56~57dBと極めて低く抑えたため、動特性に悪影響を及ぼすNF量を真空管アンプなみに減少しています。

コンピューター用に開発された信頼性の高いガラスエポキシ両面スルーホール基盤に、特性を理想的に揃えたデュアルトランジスタ、ダイオードアレイを各ポイントに使っています。さらにこれらを完全対称に配置し、電気的にも温度的にも係数をパーフェクトにイッチさせ、素材と回路からDCドリフトの発生を追放しています。

接点の数が増えるほど音質は劣化します。SM1000では、スピーカー端子まで全く接点のないダイレクトな信号を流すため、スピーカープロテクトリレーを排しています。万一スピーカー成分にDC成分が発生した場合、独自のSCRクローバーサーキットが検出し、ただちに一次側のヒューズを切り、電源コンデンサ内のエネルギーをディスチャージ。リレープロテクターよりも早く確実にスピーカーを守ります。

800VAの容量を持つカットコアトランス。ヒアリングの特性から徹底的に音質の良さを追及した、マランツ特注の23500μFx2の大容量オーディオコンデンサを搭載。
これらが見事にシンメトリックにならんだ電源部を始め、SM1000はモノラルアンプをそっくり2台組み込んだような徹底した左右独立構成です。

パワートランジスターの放熱装置には、NASAの技術から生まれた、フィンガーヒートディシペーターを採用しています。
P510で実証ずみのものをさらに改良し、長さの違う5種類のフィンをそれぞれのパワートランジスタに取り付け、冷却ファンによって強制空冷します。
しかも、ヒートシンクの温度を検出し、常に一定温度に保つように冷却ファンの回転を自動可変しています。これにより温度ムラによる音質の変化を防止してます。

小出力から大出力までレンジ切り換えなしにモニターできる対数圧縮支持型パワーメーターを採用。ピーク動作ですが、指数が示す値がそのまま8Ω動作に対する出力表示になっています。

スピーカー端子は、スイッチ類を全く通らないダイレクト端子の他に、前面シーリングパネル内のスイッチで切換え可能なSUB1、SUB2の計3系統。

DCアンプ、ACアンプの選択ができる入力端子。

RCAピンターミナルの他に、プロユースとしても対応できるキャノン端子装備。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力(20Hz~20kHz) 400W+400W(8Ω)
650W+650W(4Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz) 0.01%(8Ω)
0.03%(4Ω)
周波数特性 (+0、-1dB):DC~100kHz
入力感度/入力インピーダンス 2.83V/27kΩ
ダンピングファクタ 300(8Ω)
残留雑音 26μV(Aネットワーク)
S/N比 126dB(Aネットワーク)
消費電力 電気用品取締法:985W
電源 100V、50/60Hz
外形寸法 幅483x高さ178x奥行550mm
重量 42kg