Marantz SM1000
¥950,000(1979年発売)
解説
当時のマランツの持つ全ての技術を投入し、全てのコスト的な制約を一切排除して開発したステレオパワーアンプ。
パワーブロックは全段完全なプッシュプル構成としており、片チャンネル400Wの大出力を高品位かつ安定に取り出しています。
出力段にはPc200Wのパワートランジスタを片チャンネル18本使用しており、3個ずつ6つのグループに分けて6個のドライバーで駆動しています。hfeのリアリティの最良の部分だけを使った贅沢な構成としています。
また、独自のLow-TIM設計によってオープンループゲインを56~57dBと極めて低く抑えたため、動特性に悪影響を及ぼすNF量を真空管アンプなみに減少させています。
コンピューター用に開発された信頼性の高いガラスエポキシ両面スルーホール基板に採用し、特性を理想的に揃えたデュアルトランジスタ、ダイオードアレイを各ポイントに使っています。
さらにこれらを完全対称に配置し、電気的にも温度的にも係数を一致させる事で素材と回路からDCドリフトの発生を追放しています。
無駄な接点を排しつつ信頼性の高いスピーカープロテクト回路を採用しています。
スピーカー端子にDC成分が発生した場合には、独自のSCRクローバーサーキットが検出して一次側のヒューズを切り、電源コンデンサ内のエネルギーをディスチャージします。これによりリレープロテクターよりも早く確実にスピーカーを保護します。
この回路を採用した事でスピーカープロテクトリレーを排除でき、スピーカー端子まで接点の無いダイレクトな信号伝送を可能にしています。
電源部は左右独立構成となっており、800VAの容量を持つカットコアトランスと、ヒアリングと特性から徹底的に音質の良さを追及したマランツ特注の23500μFx2の大容量オーディオコンデンサを左右チャンネルのそれぞれに搭載しています。
パワートランジスターの放熱装置には、NASAの技術から生まれたフィンガーヒートディシペーターを採用しています。
SM1000ではP510で実証ずみのものをさらに改良して採用しており、長さの異なる5種類のフィンをそれぞれのパワートランジスタに取り付け、冷却ファンによって強制空冷しています。
さらに、ヒートシンクの温度を検出して常に一定温度に保つように冷却ファンの回転を自動可変しており、温度ムラによる音質の変化を防止してます。
小出力から大出力までレンジ切り換えなしにモニターできる対数圧縮支持型パワーメーターを搭載しています。
このメーターはピーク動作ですが、指数が示す値がそのまま8Ω負荷に対する出力表示となっています。
スピーカー端子は3系統を装備しています。
スイッチ類を全く通らないダイレクト端子の他に、前面シーリングパネル内のスイッチで切換え可能なSUB1/SUB2を装備しています。
DCアンプとACアンプの選択ができる入力端子を装備しています。
プロユースも考慮し、キャノン端子を装備しています。
機種の定格
| 型式 | ステレオパワーアンプ |
| 定格出力(20Hz~20kHz) | 400W+400W(8Ω) 650W+650W(4Ω) |
| 全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.01%(8Ω) 0.03%(4Ω) |
| 周波数特性 | DC~100kHz +0 -1dB |
| 入力感度/入力インピーダンス | 2.83V/27kΩ |
| ダンピングファクタ | 300(8Ω) |
| 残留雑音 | 26μV(Aネットワーク) |
| S/N比 | 126dB(Aネットワーク) |
| 電源 | AC100V、50/60Hz |
| 消費電力 | 985W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅483x高さ178x奥行550mm |
| 重量 | 42kg |
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