Marantz SM-8
¥150,000(1982年頃)
解説
Quarter A回路を搭載したステレオパワーアンプ。
Quarter Aシステムは、入力レベル検出回路と高速スイッチング回路により構成されており、一定のパワー(SM-8では30W)まではバイアス電流を固定して完全な純A級動作とし、そのパワーを超えると(SM-8では30W~120W)AB級動作に自動的に切換える構造となっています。
純A級の優れたパワークオリティを実現するとともに、スーパーハイfTパワートランジスタの採用や独自のLow-TIM設計により、AB級動作のハイパワー駆動時もクロスオーバー歪や過渡的な歪を極少に追い込んでいます。
基本となる回路構成は、サーボ回路を内蔵した全段完全プッシュプルDCアンプ構成となっています。
電源部には、特殊樹脂充填により耐熱性を高め、コンパクトながら大容量のトランスと、特性、音質ともに吟味されたスーパーオーディオコンデンサー22,000μFx2+20,000μFx2を搭載しています。
放熱効果の高いヒートパイプを採用し、大電流を消費するA級動作時やAB級の最大出力時にもパワートランジスタの安定な動作を保証しています。
また、過大出力を検知してパワー段を安全動作領域内に保つ保護回路を搭載し、安定した状態でスピーカーをドライブします。
フロントパネルには、8Ω負荷の出力を直読できる対数圧縮表示型ピークメーターを搭載しています。
また、サブパネル内にはメーター指針のリカバリーホールドタイムを切換えるスイッチ、2組のスピーカーの同時または単独駆動が選べるセレクター、電源スイッチを装備しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz、両ch同時動作) | 120W+120W(8Ω) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、定格出力時) | 0.015%以下 |
混変調歪率 | 0.015%以下 |
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -1dB |
入力感度/インピーダンス | 1.5V/47kΩ |
ダンピングファクター | 100以上(1kHz、8Ω) |
SN比(IHF-A) | 118dB |
定格消費電力(電気用品取締法) | 300W |
外形寸法 | 幅474x高さ172x奥行345mm |
重量 | 16.5kg |