Marantz PM-6a
¥160,000(1981年頃)
解説
QuarterAシステムを搭載したプリメインアンプ。
QuaterAは、一定のパワー(PM-6aでは30W)まではバイアス電流を固定して完全な純A級動作とし、そのパワーを超えると(PM-6aでは30Wから120W)AB級動作に自動的に切換る方式です。
切換えにはマランツが新しく開発した高速スイッチング回路を用いており、純電子的に行っています。
このQuaterAシステムを搭載したパワーアンプ部は、DCサーボ回路内蔵の全段完全プッシュプルDC構成となっており、アンプの裸特性の向上・低NFB化により過渡的な歪を低減したLow-TIM設計により、優れた特性を得ています。
MCカートリッジ専用に、超ローノイズトランジスタによる4パラレルプッシュプルの入力段からSEPP構成の出力団まで片チャンネル当り13個のトランジスタを投入した本格的ヘッドホンアンプを搭載しています。
フォノアンプ部は、マランツ独自の全段完全プッシュプル回路構成により、高SN・高ダイナミックレンジを実現しています。さらにイコライザー素子には誤差1%級の金属被膜抵抗と2%級のポリプロピレンコンデンサーを採用し、優れた特性を得ています。
トーンアンプ回路全体をバイパスできるTONEスイッチを搭載しています。
Tone Outポジションではフラットアンプ出力がダイレクトにパワーアンプに結ばれ、より純粋なクオリティで楽しめます。
電源部には特殊樹脂充填により耐熱性を高めた小型・大容量パワートランスや、音質から厳選されたスーパーオーディオコンデンサー22,000μFx2を搭載しています。
また、放熱効果の高いヒートパイプ方式を採用しており、大電流を消費する純A級時にも安定した動作を得ています。
フォノ入力を2系統搭載しており、そのうちPhono1には、MCヘッドアンプポジションの他に、27kΩ、47kΩ、100kΩのMMロードセクレターを搭載しています。
さらに2台のデッキの相互ダビングが可能なテープコピースイッチや、2段階のラウドネス、左右独立トーンコントロールなどの機能を搭載しています。
別売りでマホガニーキャビネットがありました。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz) | 120W+120W(8Ω) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.015%以下(定格出力時) |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.015%以下(定格出力時) |
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -2dB |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
SN比(IHF-A) | Phono MM:86dB Phono MC:68dB Tape、Tuner、AUX:110dB |
定格消費電力 | 350W |
外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行332mm |
重量 | 16.0kg |
別売 | ウッドキャビネット WC-77N(¥12,500) |