オーディオの足跡

PR:Marantzの製品をヤフオク!で検索
PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

PM-14の画像
 解説 

SC-5、PM-16、PM-17など、これまで培ったアンプ制作のノウハウを結集して開発されたプリメインアンプ。

パワーアンプ部にはマランツ最新の電流帰還型を採用しています。
この方式では帰還インピーダンスを下げることによって位相補償が軽くて済み、極めてハイスピードなアンプが実現できます。また、負荷変動に対しても安定で、音質上有害な出力部のチョークコイルも取り去ることができ、S/N上も有利となっています。
回路構成は初段がハイスピードのアジャスタブルHDAMで電圧増幅し、インピーダンス変換の後カレントミラー回路によるI/V変換部を経て、直流増幅率を稼げる3段ダーリントンの電力増幅部へとつながる構成となっています。出力段にはPc=200Wのマルチエミッタ型バイポーラトランジスタによるシングルプッシュプルを採用しています。
初段には100%直流帰還がかけられ、アジャスタブルHDAMのDCオフセット調整を行うことにより、S/N等で問題となるアクティブ素子によるDCサーボを削除できています。

パワートランジスタは十分に余裕のある大型ヒートシンクに防振とシールドを兼ねた銅カバーを介して取り付けられています。

プリアンプ部にはマランツ独自の4連アクティブボリューム方式を採用しています。
この方式ではプリアンプのNF回路にもボリュームを挿入して入力ボリュームと連動することによってプリアンプゲインを連続的に可変しています。アンプの残留ノイズは主として初段で発生しているため、トータルのゲインを可変することで残留ノイズを絞り込むことができます。PM-14ではプリアンプ部はフルで20dBのゲインを有していますが、約14dB絞り込むことができ、その分S/Nの改善が履かれます。
回路構成はローノイズ・ハイスルーレートのアジャスタブルHDAMを使用しており、出力部にはバイポーラトランジスタによるダイアモンドSEPPバッファを配することで十分に出力インピーダンスを下げ、プリアンプ部の独立使用にも備えています。

ボリュームはモータークラッチ部にダイカストハウジングを用い、シャフトは音質上有利な真鍮を用いたドク製品を採用しています。

トーンコントロールアンプにはバーブラウン社のハイスピードOPアンプを用いたアクティブフィルター型を採用しています。
この方式では低域や高域を持ち上げた時でもスピーカーにとって有害な不要帯域(超低域や超高域)の上昇が押さえられます。また、フラットポジションでは周波数特性のうねりがありません。

MC/MMの各カートリッジに対応したNF型フォノイコライザーアンプを搭載しています。
初段はローノイズFETを用いた最新のアジャスタブルHDAM(高速電圧増幅モジュール)を使用しており、送り出しにはハイゲイン・ハイスルーレートのオーディオOPアンプを採用しています。これにより低い出力インピーダンスとMC入力に対しても十分なゲインを確保しています。

電源部には効率が良くて漏洩磁束の少ない450VAのスーパーリングコアトロイダルトランスを採用しています。また、スリーブを排除したストレスフリーの大型低倍箔フィルターコンデンサーを2個搭載しています。
さらに各整流回路は巻線間にマランツ独自のノイズキラー素子を挿入し、整流時の高周波ノイズを吸収しています。

CD用にバランス入力を搭載しています。
バランス入力に対してはバーブラウン社の高速OPアンプによるボルテージフォロワにてインピーダンス変換をした後、同OPアンプで高い周波数まで正確にミキシングすることで、広い帯域にわたって外来雑音等の同相成分がキャンセルされ、バランス伝送のメリットが生かされています。

内部は、強固で精度の高い銅メッキを施した高比重亜鉛ダイカストシャーシをベースに採用し、その上に左右チャンネルの十分な分離、小信号部と大信号部、信号の合理的な流れと効率的な給電を考慮してレイアウトしています。

入力やレック出力の切換には最適なレイアウトがとれるロジックリレー方式を採用しています。
リレーには通信工業用の高信頼密閉型を採用しています。

アンバランス入力端子には全て金メッキ処理が施されています。特にCD入力端子にはピッチの広い削り出し端子を採用しています。
スピーカーターミナルにはドイツWBT社製のものを2組採用しています。この端子はYラグやバナナプラグも使用でき、太いケーブルの確実な実装も可能です。さらに音質上優劣が生じない設計となっており、2組のスピーカーを使用したりバイワイヤ接続に有利となっています。

プリアウト、パワーイン端子を搭載しており、プリアンプとパワーアンプを単独使用できます。インテグレーテッド使用では切換スイッチによって最短で接続されるように設計されています。
また、アクティブサブウーファーの使用を考慮してインテグレーテッド時でもプリアウトは出力される設計となっています。

システムリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 プリメインアンプ
定格出力(20Hz~20kHz、両ch動作) 200W+200W(4Ω)
160W+160W(6Ω)
100W+100W(8Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz、両ch駆動、8Ω) 0.008%
混変調歪率(SMPTE) 0.008%
出力帯域幅(8Ω、0.03%) 10Hz~50kHz
周波数特性(CD、ソースダイレクト) 5Hz~100kHz +0 -1dB
ダンピングファクター(8Ω、20Hz~10kHz) 180
入力感度/インピーダンス Phono MC:250μV/100Ω
Phono MM:2.8mV/47kΩ
High Level:200mV/10kΩ
Phono最大許容入力(1kHz) MC:12mV
MM:130mV
RIAA偏差(20Hz~20kHz) ±0.2dB
SN比(IHF-Aネットワーク、入力ショート) Phono MC:76dB
Phono MM:90dB
High Level:110dB
トーンコントロール Bass:±8dB(100Hz)
Treble:±8dB(10kHz)
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 300W(電気用品取締法)
最大外形寸法 幅458x高さ166x奥行464mm
重量 23.0kg
付属 ワイヤレスリモコン(RMC-17PM)