LUXMAN WL500
¥69,500(1971年12月発売)
解説
SQ500Xシリーズにマッチしたチューナーとして開発されたFM/AMチューナー。
FMチューナー部はフロントエンドの高周波増幅回路と周波数変換回路にデュアルゲートのMOS型FETを採用しており、感度や混変調特性、強電界域における過大入力に対する安定性を強化しています。
また、4連バリコンの使用によって十分な選択度を確保しています。
中間周波増幅回路にはIC3個とブロックフィルタを組合せており、諸特性の向上を図っています。
ブロックフィルタはクリスタルフィルタに匹敵する選択度が得られ、しかも位相特性にも優れているため、歪み低減に効果を得ています。
マルチプレックス回路にはスイッチング方式を採用しています。
この回路ではあらかじめ分離された左右の信号から逆チャンネルに漏れた成分を相殺するクロストークキャンセル回路を追加することでセパレーション特性を改善しています。さらに16kHz以上の周波数成分をカットするローパスフィルターを加えることでキャリアリークを殆ど排除しています。
AMチューナー部は高周波増幅1段、中間周波増幅2段で構成されており、十分なり特を確保しています。
中間周波増幅段には広帯域型トランスを組合せることで良好な音質を得ています。また、強力なAGCによって強電界域における歪を抑えています。
2メーター方式を採用しており、シグナルストレングスメーターとセンターチューニングメーターが独立した構成となっています。
純電子式のミューティング回路を搭載しており、不快な局間ノイズを除去しています。
FMステレオ放送時の高域雑音を除去するノイズフィルターにはハイブレンド型を採用しています。
マルチパス検出信号のうちオシロスコープの垂直用信号は小出力のものが多くありますが、WL500ではこれを増幅して十分な出力となるように考慮しています。これにより殆どのオシロスコープがマルチパス観察用として使用できます。
電源部は定電圧電源回路を採用しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
IHF実用感度 | 1.7μV |
イメージ比 | 85dB(83MHz) |
IF妨害除去比 | 90dB(83MHz) |
キャプチャー比 | 1.5dB(1mV) |
2信号選択度 | 70dB(±400kHz) |
振幅変調抑圧度 | 53dB(1mV) |
SN比 | 70dB以上 |
周波数特性 | 20Hz~15kHz |
ステレオセパレーション | 40dB(400Hz) |
キャリアリーク | -65dB以上 |
全高調波歪率 | stereo:0.5%以下 mono:0.2%以下 |
アンテナインピーダンス | 300Ω(平衡) 75Ω(不平衡) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 525kHz~1605kHz |
IHF実用感度 | 320μV/m(内蔵アンテナ) |
イメージ比 | 80dB(1000kHz) |
IF妨害除去比 | 75dB(1000kHz) |
SN比 | 48dB以上 |
周波数特性 | 40Hz~5kHz |
<総合> | |
出力電圧 | FM:1.7V(100%変調) AM:0.4V(30%変調) |
出力インピーダンス | FM:400Ω |
付属装置 | ミューティングスイッチ(FM/AM) 高域ノイズフィルター(FMステレオ) 出力レベルコントロール(FM/AM) アンテナアッテネーター(FM) マルチパス検出端子(FM) 同軸コネクタ(FM) |
使用半導体 | MOS型FETx2個 トランジスタx33個 ICx3個 ダイオードx24個 |
外形寸法 | 幅450x高さ160x奥行268mm |
重量 | 7.8kg |