LUXMAN T-50A
¥69,000(1979年10月発売)
解説
チューナーとしての基本性能を徹底的に追求しつつ、性能を最大限に活かすために同調回路に工夫をこらしたAM/FMステレオ・チューナー。
CLL方式同調システム(Closed Loop Locked System)を採用しています。
これは、フロントエンド、IF段(中間周波増幅段)、検波段まで含めて、FM局の送信周波数にロックしてしまうという同調システムで、安定した受信性能を確保しています。
また、CLL回路には再ロック回路(Dynamic Kick System)を内蔵しており、チューナーの電源を切っても、再度チューニングを取り直す必要はありません。
より正確なチューニングを実現するため、アキュタッチ機構を搭載しています。
これは、CLL回路の制御電圧を利用して正確なセンターポイントを検出し、これでチューニング・ノブに機械的なロックをかけるもので、チューニング・ノブを通常の速さでまわして行くと、手応えとともにノブが一時的(約1秒間)にロックされます。
フロントエンドは、RF段(高周波増幅段)にMOS FETを使用しており、低歪率局部発振回路の採用によって優れた妨害排除特性や今変調特性を得ています。
また、IF段には帯域幅の2段切替えを設け、低歪率特性と高選択度特性を両立させるとともに、ビート防止回路を付加してNarrow時の混信対策を強化しています。
検波段には、広帯域で低歪率特性が得られるNEWカドラチャICを、ステレオ復調段にはこうセパレーション特性の得られるPLL
ICを採用しています。
AMチューナー部は、強電界に対する耐入力特性を重視するとともに、IF段に高選択度特性の得られるセラミック・フィルターを採用するなど、混信対策に検討が加えられています。
ミューティングのかかる電界強度を自由に設定できるFMミューティングレベル・コントロールや、信号の強さを5段階に表示するシグナル・ストレングス・インジケーター、FM局を正確に捕えているかを表示するセンター・インジケーターなどを搭載してます。
機種の定格
型式 | AM/FMステレオ・チューナー |
<FMチューナー部> | |
IHF実用感度 | 1.8μV/10.3dBf |
50dBクワイティング感度 | 3.3μV/15.6dBf |
SN比 | 75dB |
周波数特性 | 30Hz~15kHz ±0.5dB |
歪率(wide、1kHz) | mono:0.07% stereo:0.1% |
キャプチャー比 | wide:0.9dB narrow:1.8dB |
2信号選択度(±400kHz) | wide:40dB narrow:80dB |
スプリアス特性 | 80dB |
イメージ比 | 55dB |
振幅変調抑圧度 | 60dB |
ステレオセパレーション(wide) | 100Hz:45dB 1kHz:50dB |
ミューティング・スレッショルド | 10μV~300μV |
<AMチューナー部> | |
IHF実用感度 | 250μV/m |
イメージ比 | 50dB |
IF妨害除去比 | 40dB |
SN比 | 50dB |
歪率 | 0.6% |
<総合> | |
出力電圧 | FM:1V/100Ω AM:0.3V |
付属回路 | CLL回路 チューニングロック機構 IF帯域幅切替 センターインジケーター FMミューティング・スイッチ FMミューティング・レベル・コントロール |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 8W |
外形寸法 | 幅466x高さ120x奥行350mm |
重量 | 7kg |