オーディオの足跡

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 解説 

ラボラトリーリファレンスシリーズのFMチューナー。

あらゆる受信周波数に対して高い同調精度と安定性を確保するため、ラックス独自のCLL方式を搭載しています。この方式は、水晶制御された放送局の送信周波数を基準にして、チューナーのフロントエンドからIF段(中間周波増幅段)、検波段まで含んだトータル的な制御方式なため、温度などの外部条件に強く、安定した受信を可能にしています。
CLL回路は、フィードバック・ループを構成しているPLL回路と同じく、放送局の中心周波数にぴったりと合わせるためのキャプチャーレンジと安定な受信状態を確保するためのロック・レンジを持っているため、放送局の電波がいったんキャプチャーレンジに入って、これをロックしてしまえば、強力なフィードバック回路の働きによって、正確に同調した受信状態を保ち続けます。このため、外部条件の変化によってドリフト(受信周波数のズレ)が生じても、水晶で制御された放送局の送信周波数を追いかける方向でフィードバックがかかり、安定した受信状態が得られます。
CLL回路には再ロック回路を内蔵しているので、チューナーの電源をoffにしても再びロックし直す必要がありません。

全ての同調回路を正確な放送局の中心周波数に合わせられるように、アキュタッチ機構を搭載しています。
アキュタッチ機構はCLL回路の制御電圧を利用して、正確なセンターポイントを検出し、これでチューニング・ノブに機械的なロックをかけるというもので、チューニングノブを通常の速さでまわしていくと、手応えとともにノブが一時的(約1秒間)にロックされます。

IF段では、優れた歪率特性と優れた選択度特性を両立させるため、wideとnarrowの2段のIF段帯域幅切替えを搭載しています。
標準のwide位置では2組の群遅延特性重視の広帯域ブロックフィルターで低歪率特性を実現し、narrow位置ではさらに2組の狭帯域セラミック・フィルターを追加して高選択度特性を実現しています。

フロントエンドにはIF段以降の優れた諸特性を発揮させるために、FM専用の5連バリコンを採用し、また、各高周波増幅回路の選択度を高めて、十分な妨害除去能力を確保しています。

IF段には低歪率化と高SN比が実現できるカドラチャ広帯域検波回路を組み合わせています。また、パイロットキャンセラー付きのMPX回路の採用とともにローパスフィルターの位相特性を改善しています。
さらに、オーディオ段にはDCアンプ構成を採用しています。

機種の定格
型式 FMチューナー
IHF実用感度 1.7μV(9.8dBf)
50dBクワイティング感度 3.2μV(15.2dBf)
SN比 80dB
周波数特性 mono、stereo:20Hz~17kHz -0.5dB
歪率
mono: 0.05%(wide、100Hz)
0.05%(wide、1kHz)
0.07%(wide、6kHz)
0.15%(narrow、1kHz)
stereo: 0.07%(wide、100Hz)
0.06%(wide、1kHz)
0.1%(wide、6kHz)
0.4%(narrow、1kHz)
キャプチャー比 wide:0.8dB
narrow:2dB
2信号選択度(±400kHz) wide:30dB
narrow:90dB
スプリアス特性 100dB
IF妨害除去比 100dB
イメージ比 100dB
振幅変調抑圧比 62dB
セパレーション
wide: 45dB(100Hz)
50dB(1kHz)
45dB(10kHz)
narrow: 30dB(1kHz)
出力電圧/インピーダンス fix:1V/100Ω
variable:0V~1V/100Ω~1.25kΩ
付属装置 チューニング・ロック機構
IF帯域幅切替
マルチパス確認用回路
録音用テストトーン回路
センターインジケーター
シグナルストレングス・インジケーター
FMミューティング回路
ミューティングレベル調整
タイム・ミューティング回路
出力レベルコントロール
75Ω用同軸コネクター
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力(電気用品取締法) 20W
外形寸法 幅442x高さ101x奥行400mm
重量 7kg