ALPINE/LUXMAN D-107U
¥129,000(1990年頃)
解説
出力回路に3極真空管を採用したCDプレイヤー。
双3極管6CG7をカソードフォロア回路として採用しています。
3極真空管はリニアな特性をもち、耳障りな奇数次高調波が少ないことなど、音楽を引き出す能力に優れており、また、アクティブ素子が最小単位(1ユニット)で構成されるカソードフォロアにより、回路のシンプル化が実現しています。
D-107Uのために新たに開発した出力用ライントランスを採用しています。
高度な音楽表現が可能になると同時に、トランス結合により低インピーダンス負荷にも安定した送り出しを実現しています。
ライントランスの自然な減衰特性を利用することで、音質に有害なアナログフィルターを完全に取り除く事に成功しており、これによりDA変換以降の回路はアナログ信号がダイレクトに真空管に入り、出力トランスを経由して出力されるというシンプルな回路構成を実現しています。
CDプレイヤーの電源投入時のパルス性出力を防止するため、一定時間出力しないようにするミューティング回路が採用されています。
このミューティング回路にはリレー接点を使用しており、これにより、ミューティングの解除時にアースラインとDCラインとの関係が完全に断たれた理想的な出力回路となっています。
真空管を使用したアナログ回路の持ち味を徹底して追及するためデジタル出力を排除しています。
また、電動ボリュームによるバリアブル出力とフィックスド出力の2系統を備え、いずれもラジエーションの影響を受けないピュアなラインアウトを実現しています。
音質に有害な外部振動を抑えるため、防振対策が施されています。
光学ピックアップベースをアッセンブリーベースから分離し、その間を特殊ゴムダンパーとコイルスプリングの組み合わせで振動を遮断する独自のハイリジッド・ロック・メカニズムを採用しています。
さらに、それを中央に配置したセンターマウント方式の低重心構造とすることで、外部振動に強い構造となっています。
録音に便利なエディット機能やフェードアウト機能を搭載しています。
また、時間指定ができるタイムフェードアウト機能を装備しており、分単位で最大99分までフェードアウト時間を設定することができます。
時間がくると自然にフェードアウトし、その後、また自動的に最初の出力レベルに戻ります。
あらかじめ真空管のヒーターを暖めておくプリヒーティングスイッチを搭載しており、短時間で安定した動作が得られます。
部屋の明るさに応じてFL表示管の輝度調節や消す事もできるディスプレイアジャスト機能を搭載しています。
接点損失の少ない金メッキ端子を採用しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 半導体レーザーピックアップ |
量子化ビット数 | 16ビット直線式量子化 |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
周波数特性 | 20Hz~20kHz、±1dB |
出力電圧 | 2.0V |
ダイナミックレンジ | 89dB |
S/N比 | 105dB |
チャンネルセパレーション | 86dB |
ワウフラッター | 測定限界値以下 |
高調波歪率 | 0.09%(1kHz) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 28W |
外形寸法 | 幅470x高さ147x奥行342mm |
重量 | 10.3kg |