LUXMAN E-06
¥260,000(1987年12月発売)
解説
徹底的にクオリティを追求するためにフォノイコライザーを独立コンポーネント化したい古来~あアンプ。
MCトランスには手巻き設計のMCトランスを搭載しています。
このトランスはMB300用出力トランスの設計開発などを手がけた設計者によって作られたもので、設計者自身の手巻きで特性チェックと試聴が繰り返され、百数十種類もの試作が行われています。そして、線材にはPC-OCCを採用し、線径からコア材、コアの重ね方、シールド方法まで徹底的に吟味されています。
E-06では、昇圧比の異なる2種類の専用トランスをL/R各1個ずつ合計4個搭載するなど、あらゆるMCカートリッジへのマッチングを徹底しています。さらに、デリケートなMCラインこそバランス伝送が効果的であるという考え方から、このMCトランス入力はバランス受けも可能となっています。
CR型イコライザー回路は、1段・2段ともフラットアンプを用いた回路構成となっています。
また、E-06ではフラットアンプの増幅素子を根本から改善し、さらにCR素子を厳選して採用することで、CR型ならではの音を実現しています。
ボリューム回路には32ポイント型のアルティメイトアッテネーターを採用しています。
このアッテネーターはE-06やC-06などのために原点に戻って開発設計したもので、ガラスエポキシ基板や金メッキ仕上げ、非磁性体抵抗配線、ダイキャスト、押出材によるシールドケースなどで構成しています。
E-06ではL/R独立して採用しており、しかもより自然な音量変化を得るために最大出力付近では0.5dBステップでカートリッジの出力バランスの微妙な調整ができるトリムコントロールとしてのカーブ特性を持たせています。
また、可変出力のほかにダイレクト出力端子も備えています。
イコライザー回路の入力アンプと出力アンプにはフラットアンプを採用しています。
これらの回路にはイコライジング前とイコライジング後の位相の違った信号を取り扱っているため、この部分を共通電源にした場合、音質上好ましく無い結果が生じてしまいます。
そこで、E-06では左右別トランスの他、入力アンプと出力アンプそれぞれに適した定電圧電源を採用し、音質向上を図っています。
配線材にPC-OCC(単結晶高純度無酸素銅線)を採用しています。
また、接点を並列使用した窒素ガス封入金接点入力切換リレー、電源インピーダンスの低減を図ったバスバー、シールドを強化した初段ブロック、L/R分離シールドを施したモノシリックレイアウトのガラスエポキシ基板、信号へのノイズや振動の影響を排除した非磁性体シャーシと硬質木製キャビネットの採用など、音質を優先したパーツを使用しています。
AC電源の極性が検知できるラインフェイズセンサーを搭載するとともに、トータルシステムの極性を統一することで音質の向上が図られています。
電源トランスの1次側2次側とも厳密に極性管理がされているため、ラインフェイズセンサーと相まって極性統一の効果が得られます。
機種の定格
型式 | フォノアンプ |
入力端子 | MC Low(Balance/Unbalance)、MC Mid(Balance/Unbalance) MM(Unbalance):Coaxial型 |
入力感度 | MC Low:70μV MC Mid:200μV MM:2.5mV |
入力インピーダンス(1kHz) (適合カートリッジインピーダンス) |
MC Low:35Ω(2~10Ω) MC Mid:300Ω(10~100Ω) MM:47kΩ |
利得 | MC Low:73dB MC Mid:64dB MM(Through):42dB |
出力レベル調整 | 10kΩ固定抵抗切換式32ポイントアッテネーター |
出力 | Direct/Variable:定格300mV、最大10V(1kHz) |
出力インピーダンス | 20Ω(1kHz) |
全高調波歪率 | 0.005%以下(MM、1kHz) 0.007%以下(MC Low、MC Mid、1kHz) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz、RIAA±0.2dB以下(MM) |
SN比(IHF-A) | MC Low:76dB以上 MC Mid:78dB以上 MM:80dB以上 |
チャンネルセパレーション | 90dB以上(10kHz) |
付属装置 | Balance Select(MC Low/MC Mid) ラインフェーズセンサー |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅460x高さ120x奥行408mm |
重量 | 10kg |