LUXMAN SQ-38Signature
¥350,000(1995年10月発売)
解説
創業70周年を記念して製品化された管球式プリメインステレオアンプ。
歴代7モデルにわたるロングセラーの38の称号を受け継いでいます。
パワーアンプ部にはウィリアムソン回路を採用しています。
音質劣化の少ないPK分割で反転信号を形成し、出力管EL34(6CA7)をプッシュプルで動作させ、トータルなNFBを少しにとどめています。
出力管EL34はゴールデンドラゴン社の特別ラインで生産されたものを厳選して採用しており、さらに初段に12AU7、ドライバー段には12BH7を使用するといったオーソドックスな素子と回路構成となっています。
音質に多大な影響を与える出力トランスには、トランスメーカーとしてのラックスの評価を決定付けた伝統のOY型を採用しています。
オリエント・コア材を使用し、OY独自の分割巻きをベースに仕様に合わせて新規設計が行われています。これにより、位相回転の少ない優れた音質に加え、低域と可聴帯域いっぱいまで伸びた素直なレスポンスを獲得しています。
また、トランス本体は厳重なシールドのうえ固定材による充填を施し、さらに鉄製ケースに納めることで漏洩フラックスを完全に排除しています。
プリ部には歪を改善し聴感上の音質向上を図ったカスタムボリュームコントロールが搭載されています。
トーンコントロール回路は真空管12AU7で構成されています。この回路では、高音域と低音域を独立させることでより自然な補正が可能となっています。
ベーシックパーツにもこだわりを徹底し、新たに改良した複合電解コンデンサー、高精度のモールド抵抗、回路基板にガラスエポキシ製両面タイプをしようするなど、音質への配慮を注いでいます。
ソースセレクトはライン入力とテープ入出力を独立して切り替えが可能です。
また、3ヘッドデッキを使えばモニタースイッチにより録音時の同時モニターもできます。
さらに、ラインストレートスイッチにより、モニタースイッチ、バランスボリュームを飛び越えて、ソースの信号をよりピュアな状態で送ることも可能です。
CDやDATなどにも対応するため、4系統のライン入力を搭載しています。
また、高精度なフォノイコライザーも内蔵しています。
真空管を確実に固定するとともに外部からの振動の影響を排除するため、シャーシに適度な重量を持たせて剛性の高い構造を作り上げています。
さらに、サイドパネルに高密度素材を使用し、振動モードの異なる素材で構成するなど制振対策にも配慮がなされています。
また、ボリュームコントロールやセレクタースイッチのノブは、ブラスト仕上げとヘアライン加工を組み合わせたものとなっています。
電源ケーブルにACインレットを採用しています。
また、ラインフェイズ・センサーの採用で、極性管理も行えるようになっています。
機種の定格
型式 | 管球式プリメインステレオアンプ |
入力感度/インピーダンス | Line1:150mV/47kΩ Line2:150mV/47kΩ Line3:150mV/47kΩ CD:150mV/47kΩ Phono MM:2.5mV/47kΩ Tape Monitor:150mV/47kΩ |
実効出力 | 30W+30W(6Ω) |
全高調波歪率 | 0.5%(6Ω、1kH/NFB6dB) |
周波数特性 | 20Hz~20000Hz、+0 -0.5dB |
トーンコントロール | ±15dB(最大変化量) |
付属装置 | ラインストレート・スイッチ モニター・スイッチ REC OUTスイッチ トーンコントロール(Bass/Treble) ACインレット フォノ・イコライザー(MM) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 190W(電気用品取締法の規定による) |
外径寸法 | 幅430x高さ209x奥行387mm |
重量 | 22.0kg |