オーディオの足跡

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MQ70の画像
 解説 

5極出力管6CA7を用いた管球式ステレオパワーアンプ。

出力管にはオーディオの世界で定評のある5極管である6CA7を採用しています。
6CA7は比較的小型でスマートな形状ですが、使い方によってはプッシュプル動作で100Wの大出力を取り出すことも可能です。MQ70ではこの6CA7をウルトラリニア接続のプッシュプル出力回路としており、45W/45Wの出力が得られるように十分に余裕をもたせることで高い耐久性を得ています。

アウトプットトランスにはMQ70用に新開発したOY15-6.5KHFを採用しています。
MQ70では出力管の効率を損なわずに性能向上を図るため、アウトプットトランスにはウルトラリニア接続用のSGタップとカソードNF用の第3次巻線を設けていますが、これらの方式を併用することで出力管の内部抵抗が十分に低くなり、スピーカーが定電圧駆動されるとともに出力段の裸特性が改善されています。
また、アウトプットトランスの使用線径を上げることで従来のOY15型に比べてパワーロスを半減しています。さらに、周波数特性や位相特性、交流的なバランスなどの大幅な向上を図るために2次側巻線の単一化を図っています。

電源回路にはレギュレーションの優れた大型パワートランス9F380を採用しており、出力回路に供給する電源をブリッジ整流方式とすることで電圧変動を最小限に抑えています。
また、平滑回路には直流抵抗の少ないチョークコイル#4705と高耐圧のブロックコンデンサー47μF×3を並列接続し、これを2個組み合わせることで電源インピーダンスを十分に低くし、電圧変動の少ない電源回路に仕上げています。
さらに、差動回路に供給するマイナス電源を定電圧化することによって初段の動作を安定化するとともに直接結合させたドライブ段の安定化を図っています。

ドライブ回路は2段差動増幅回路で構成されています。
MQ70では初段に12AX7の両ユニットを用いた差動回路を配しています。この回路は温度変化や電源電圧の変動の影響をうけにくく安定性の高い回路で、しかも180゜位相差のある出力が得られます。このため位相反転の役目も果たすことが可能です。
初段と直結させたドライブ段には、出力段にウルトラリニア接続とカソードNFを併用したことで大きなドライブ電圧が必要なため、ラックス・ブランドの高耐圧ドライバー管6240Gを採用しており、差動増幅回路構成としています。
このような初段に差動増幅の位相反転段をおき、一方のグリッドに入力信号を、他方のグリッドに負帰還入力を加える構成は、プッシュプル動作のバランスを自動的に補正するため、歪率特性がさらに改善されています。

位相補正回路にも検討が加えられており、高域における歪率特性の改善を図っています。
アウトプットトランスの2次側に挿入されている積分型位相補正回路は、スピーカー端子にスピーカーが接続されている時には高域特性に与える影響が少なく、無負荷時には効果的に働くもので、無負荷から全負荷まで高い安定性を確保しています。
また、微分型位相補正回路はNF抵抗とこれに並列に接続されたコンデンサーで構成されています。MQ70ではこの回路に数μHの高周波チョークを挿入し、超高域におけるNF量を制限するとともに適切な容量のコンデンサーを選ぶことでバランスのとれた高い安定性を確保しています。

左右チャンネル独立型の入力レベルセット機構を搭載しています。

機種の定格
型式 管球式ステレオパワーアンプ
連続実行出力 45W/45W(4Ω、8Ω、25Hz〜30kHz)
30W/30W(16Ω、25Hz〜30kHz)
全高調波歪率 0.1%以下(8Ω、1kHz、10W)
0.5%以下(8Ω、1kHz、45W)
周波数特性 10Hz〜40kHz -1dB
入力感度 650mV
入力インピーダンス 80kΩ
SN比 110dB以上(IHF-A補正、入力ショート)
ダンピングファクター 15(8Ω、1kHz)
残留雑音 0.3mV以下
消費電力 190W(電気用品取締法)
260W(8Ω、両ch同時、最大出力時)
外形寸法 幅405×高さ165×奥行240mm
重量 17kg