オーディオの足跡

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MQ68Cの画像
 解説 

NFBに頼らず、根底から裸特性を追求した無帰還方式の管球式ステレオパワーアンプ。
NFB切替を設けており、16dBの軽いNFBをかけることも可能です。

出力管には38シリーズのプリメインアンプや60シリーズのパワーアンプなどで採用された電力増幅用3極管50CA10を採用しています。
この球のプレート損失は30Wと十分に大きく、プッシュプル動作で30Wのパワーが取り出せます。また、内部抵抗が低く、スピーカーは定電圧駆動されるとともに、パワー段の裸特性の改善に役立っています。

アウトプットトランスには新OYシリーズのOY15-6KHPを採用しています。
このトランスは50CA10の持つ性能を引き出すために新たに設計されたもので、従来のOY型に比べて、使用線径を上げてパワーロスを半減し、さらに3極出力管の最適負荷範囲が広いのを利用して、2次側巻線の単一化をはかり、周波数特性、位相特性、交流的なバランスなどの向上を実現しています。

NFBを利用せずにオーディオ用として充分に通用する無帰還アンプに仕上げるため、ドライバー段の動作点を可変にし、1台1台入念に調整することで、パワー段の歪を打ち消し、アンプ全体の歪を減少させるなど裸特性の改善を図っています。
ドライバー回路は、カソード結合型のムラード型を基本にしており、初段には3極管接続で内部抵抗を十分に低くした6267を採用し、位相反転段には高電圧ドライブ用として開発したラックス・ブランドの双3極管6240Gを採用しています。

NFBを切替えた時に生じるゲイン差(利得差)を無くす為、入力回路にアッテネーターを挿入しています。

NFBアンプ時に必要な位相補正回路にも検討を加え、高域における歪率特性の改善を図っています。
アウトプット・トランスの2次側に挿入されている積分型位相補正回路は、高域特性に与える影響を少なく、無負荷時には効果的に働くもので、無負荷から全負荷まで高い安定性を確保するためにあります。
また、NFB抵抗とこれに並列に接続されたコンデンサーで構成された微分型位相補正回路は、コンデンサの容量によって高域特性や安定性に問題が生じますが、MQ68Cでは数μHの高周波チョークを挿入し、超高域におけるNFBの量を制限するとともに、適切な容量のコンデンサを選び、バランスのとれた安定性と特性の改善を図っています。

電源部にはレギュレーションの優れたパワートランスを採用するとともに、出力段に供給する電源をブリッジ整流方式として、電圧変動を低減しています。
また、平滑回路には直流抵抗の少ないチョークコイルとブロックコンデンサー(220μFx2)を組み合わせ、電源インピーダンスを低く保ち、安定した電源回路としています。

機種の定格
型式 管球式ステレオパワーアンプ
連続実効出力
NFB16dB時: 30W/30W(8Ω、4Ω)
20W/20W(16Ω)
25W+25W(8Ω、両ch同時動作、50Hz~15kHz)
無帰還時: 25W/25W(8Ω)
全高調波歪率
NFB16dB時: 0.05%以下(8Ω、1kHz、10W)
0.4%以下(8Ω、1kHz、定格出力時)
無帰還時: 0.3%以下(8Ω、1kHz、10W)
周波数特性 NFB16dB時:10Hz~60kHz -1dB以内
無帰還時:20Hz~30kHz -1dB以内
入力感度 880mV
入力インピーダンス NFB16dB時:100kΩ
無帰還時:50kΩ
SN比(入力ショート、
IHF-A補正)
NFB16dB時:105dB以上
無帰還時:95dB以上
付属装置 NFB切替スイッチ
左右チャンネル独立型入力レベル・セット
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 160W(電気用品取締法)
外形寸法 幅410x高さ183x奥行160mm
重量 13.8kg