LUXMAN M-70f
¥450,000(2003年発売)
解説
音楽の生命感を重視して開発されたステレオパワーアンプ。
ラックスマンが独自に開発したODNF(Only Distortion Negative Feedback)回路のVersion2を搭載しています。
この回路では、出力信号を増幅回路にフィードバックする従来手法とは異なり、入力波形と出力波形を比較検出する専用回路で歪成分である差分信号だけを抽出し、それを打ち消し用歪成分として増幅回路にフィードバックしています。これにより位相補正回路と超低域を制御するDCサーボアンプを必要とせず、自然な音色を維持したままで配するーレートで超広帯域の音を実現しています。
Version2では試聴を繰り返しながら洗練度を上げる追い込み作業によってより自然な音質と低域方向のドライブ感を獲得しています。
パワー段はバイポーラトランジスタを用いた4パラレルプッシュプル構成となっています。
電源部には大容量トロイダルトランスを搭載しています。
このトランスはコア材や巻線材、巻線仕様を見直した専用設計となっており、特にレギュレーション性能を徹底追求しています。
また、電源部には合計44,000μFのカスタムメイドブロックコンデンサを組み合わせています。
パワーブロックの基板には低キャパシタンスのFR-4ガラス繊維エポキシ基板を採用しています。基板上のシグナルラインは70μ厚の銅箔が受け持っており、エネルギー損失を低減しています。
また、鉛フリーの半田素材を用いる事で接点部品の音質劣化も最小限に留めています。
音質を追求したカスタムメイドパーツを採用しています。
カーボン皮膜抵抗体をベースに素材の選定から加工方法、端子形状など全て吟味して作られたオーディオ専用抵抗器や、銅スチロールコンデンサ、電解コンデンサ、銅製バスバーや高純度ケーブルなどを採用しています。
内部コンストラクションは中心部に電源部を置き、左右チャンネルのパワーブロックと入力段、操作部を高剛性ボックス遮断構造でマウントする事で回路間の干渉を抑えています。また、振動吸収モードに優れたFRP製シャーシベースとグラデーション鋳鉄製レッグで筐体全体を支え、外来振動による影響を可能な限り回避しています。
フロントパネルに対数表示方式の大型パワーメーターを搭載しています。
パワーメーターの動作や照明はスイッチでON/OFFが可能です。
スピーカー端子には新設計の大型タイプを採用しています。
この端子はYラグなどの端末加工を施した高級スピーカーケーブルでも確実で強固な接続を実現しています。また、4mmバナナ端子にも対応しています。
入力端子は同軸とバランスの両方を装備しています。
また、他機種との組み合わせも考慮してコアキシャルとバランスの切換は1V入力時に100Wを出力するリファレンスポジションを備えたアッテネータースイッチ方式を採用しています。
電源ライン・フェーズセンサーを装備しています。
外観はブラスターホワイトカラーとなっており、素材の表面をブラスト処理した高級感のある仕上げとなっています。
BTL接続によるハイパワーモノラルパワーアンプとしても使用可能です。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
連続実効出力 | 200W+200W(8Ω) 300W+300W(4Ω) 600W(8Ω、BTL) |
入力感度 | 1V(8Ω、200W) |
入力インピーダンス | コアキシャル:33kΩ バランス:66kΩ |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.1dB 10Hz~100kHz +0 -1.0dB |
全高調波歪率 | 0.004%以下(8Ω、1kHz) 0.08%以下(8Ω、20Hz~20kHz) |
S/N比 | 118dB以上(1kHz、IHF-A) |
付属装置 | 電源スイッチ パワーメーター メータースイッチ パワー/ミュートインジケーター スタンバイインジケーター コアキシャルイン バランスイン アッテネーター/入力切換スイッチ BTLスイッチ スピーカー端子 ラインフェーズセンサー リモート端子 リモートスイッチ 信号グランド端子 ACインレット |
外形寸法 | 幅467x高さ212x奥行440mm |
重量 | 29.0kg |