オーディオの足跡

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L-68Aの画像
 解説 

デュオ・ベータ回路に新開発のplus-X電源を組み合わせたデュオ・ベータplus-Xプリメインアンプ。

NFBの良さを活かしつつ、過剰NFBによるTIM歪の発生を防ぎ、より優れたアンプを実現するため、デュオ・ベータ回路を採用しています。
裸特性のままでも十分実用になるレベルを実現したアンプ回路に、適量NFBとDCサーボを加えることで、優れた中高域と引き締まった低域再生を実現し、さらに有害な1/fノイズやフリッカ・ノイズを除去しています。

電源部には、一般的な帰還型回路(出力電圧の変化をフィードバックし、一定に保つような動作をする)と安定化を施さない電源の良さを併せ持ち、さらに欠点を追放したplus-X電源を採用しています。
通常の安定化電源は帰還型回路を構成しており多量のフィードバックを採用しています。これに対し、plus-Xレギュレーターはフィードバック量を適量としており、周波数特性を持たせるという特徴を持っています。
これにより、可聴帯域における過剰なフィードバックを避け、電源自身の裸特性を活かした適量制御(オプティマム誤差増幅器)と、低域のみを強力にフィードバックし安定度と制御力を向上させる周波数制御とすることで、音楽の再現性やダンピングの効いた低域を実現しています。

plus-Xレギュレーターを実現するため、電源部の裸特性の向上を図っています。
トランスにはラックスのトランス技術を駆使した大型パワートランスを採用しており、巻線径を大きくとることでパワーロスを防ぐなどしています。さらにオーディオ用ブロックコンデンサ(15,000μFx2)を平滑回路に採用し、裸特性の優れた電源回路を構成しています。
さらにパワートランスの巻線方向を一次側、二次側ともにそろえることにより極性の統一を図っており、さらに電源回路に使用している無極性コンデンサも全て極性を統一しています。

パワー段にはリニアリティに優れた全段プッシュプル回路を採用しています。
Pチャンネル、Nチャンネルの特性を揃えたFET採用によるピュア・コンプリメンタリ・ディファレンシャル・プッシュプル入力段をはじめ、全段にわたり高ft(高域遮断周波数)、低Cob(コレクタ出力容量)のトランジスタ、FETによるプッシュプルを構成しており、裸特性における歪率を従来の1/5~1/10に低減し、周波数特性は約10倍まで改善しています。

出力段には、原理的にスイッチング歪を発生しないパワーMOS FETを採用しています。
パワーMOS FETは、バイポーラ・トランジスタでは避けることのできないキャリア蓄積効果(スイッチング歪の一因となる)が存在せず、位相ズレがないという特質を持つと共に、優れた高域特性と、リニアリティを誇っています。さらに、ゲインが高く、ドライブ段を単純化できるという利点を持ち安定性に優れるなど電力増幅用素子としての優れた条件を備えています。
L-68AではこのパワーMOS FETに大量のアイドリング電流を供給して最適動作条件に設定するとともに、組みあわすドライバ段にも超高速トランジスタを採用し、スイッチング歪を発生しないアンプ回路として完成しています。

イコライザ回路にもデュオ・ベータ回路を採用しています。
回路構成は、厳選されたローノイズFETによるカスコード接続ブートストラップ差動カレントミラー入力段を採用しており、定電流駆動してSVRR(リップル除去比)を向上させるとともに、CMRR(同相抑圧比)に優れた構造となっています。さらに定電流負荷カスコード・アンプを接続し、分流回路を配してゲインを抑えています。
また出力段には、Aクラス動作シングルエンデッド・プッシュプル回路を採用し、低歪・低出力インピーダンスとともに高い安定性を得ています。
これにより、裸特性における歪率を従来の1/5~1/10にまで低減し、周波数特性も約10倍の帯域を実現しており、仕上げとしてデュオ・ベータ回路を施す事で優れた音質を実現しています。

MCヘッドアンプ部には、NチャンネルFETパラレル接続によるDCアンプ構成を採用しています。
さらにインピーダンス切替を搭載することで、MCカートリッジの最適負荷条件を選択できるとともに、ゲインを自動的に調整する方式を採用しています。

トーンコントロールには、変化特性が素直でうねりの無いLUX方式NF型ターンオーバー周波数切替付回路を採用しています。
さらに、このトーンコントロールの前段をFETカスコード入力バッファとした独立構成を採用しており、不要な時はトーン・バイパス・スイッチで完全に信号経路から切り離す事が可能です。

フィルム・コンデンサの極性を一つ一つ管理し、さらにバイアスをかけるなどの方法により、箔振動まで徹底して追放し、色付けの無いクリアな音質を実現しています。
また、金属シャーシが回路に与える影響を極力遮断するために、基板に対応するシャーシをくり抜いた構造を採用しています。さらに天然ツキ板仕上げローズウッド・キャビネットを使用し、アルミ・シールドも最小限に抑えるなど、過電流歪についても徹底的に排除しています。

フォノ・ストレート機能を搭載しており、ディスク再生に不要な機能を配線から切り離す事が可能です。

ライン・フェーズ・センサを搭載しており、AC電源の極性を確認することができます。

機種の定格
型式 インテグレーテッド・アンプ
連続実効出力 110W+110W(8Ω、両ch動作、20Hz~20kHz)
全高調波歪率 0.008%以下(8Ω、-3dB、20Hz~20kHz)
混変調歪率 0.008%以下(8Ω、-3dB、60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性 phono MM、MC-1:20Hz~20kHz ±0.2dB
tuner、aux1、2、monitor1、2:10Hz~100kHz -1dB
入力感度/インピーダンス phono MM:2.0mV/50kΩ
phono MC-1:2.0mV/100Ω(イコライザー部へダイレクト)
phono MC-2:0.07mV~0.2mV(インピーダンス切替)
tuner、aux1、2、monitor1、2:280mV/40kΩ
SN比(IHF-A、入力ショート) phono MM:80dB以上
phono MC-1:80dB以上
tuner、aux1、2、monitor1、2:100dB以上
トーンコントロール LUX方式NF型湾曲点周波数切替付
低域湾曲点:150Hz、300Hz、600Hz
高域湾曲点:1.5kHz、3kHz、6kHz
付属装置 フォノ・ストレート・スイッチ
サブソニックフィルター(15Hz、off、30Hz)
ハイカットフィルター(9kHz、0ff、15kHz)
ローブーストスイッチ(70Hz、off、150Hz)
テープモニタースイッチ
テープダビング&rec offスイッチ
スピーカーセレクター
ヘッドホンジャック
ラインフェーズセンサ
ACアウトレット switched:3系統、max300W
unswitched:1系統、max200W
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 300W(電気用品取締法)
外形寸法 幅478x高さ194x奥行378mm
重量 15.5kg