LUXMAN L-550
¥250,000(1981年11月発売)
解説
DUOβサーキット/Sを搭載したプリメインアンプ。
「適量NFB」と「DCサーボ」を組合わせたDUOβサーキットと、音質優勢の制御帰還の電源plusXに加え、さらに「一段増幅アンプ」を加えたDUOβサーキット/Sを開発し、イコライザとパワー部に搭載しています。
一段増幅アンプは初段にMCヘッドアンプ用のFETを採用しており、もともと高gm、ローノイズのこのFETに、1石あたり7mAという大電流を流す事で必要なゲインを取り出すという構造となっています。
これと同時に、初段に影響のないよう出力段を完全に独立させた上で2段目を撤去しており、電圧増幅は一段のみという理想的な回路を実現しています。
出力部は、バイアス電流を固定する真性のA級動作で、50W/chという大出力を実現しています。
A級動作による多量の発熱には、大型ヒートパイプ2基によって対応しており、このヒートパイプは対称形とすることで、放熱音を追放しています。
ヘッドアンプ部にも一段増幅アンプを採用しています。
初段に入力等価抵抗の極めて低いPNPトランジスタをシングル差動とし、充分なゲインを得ながら、ローノイズを実現してます。
ディスク再生時にインプットセレクタ、フィルタ類、モノラルスイッチ、バランスコントロールなどを切り離して、イコライザとパワーアンプを直結するフォノ・ストレート機能を搭載しています。
ディスク等の録音周波数が、高域に向かってゆるやかに上昇していたり、逆に下降していたりすることがあるため、このようなクセを補正し、録音特性をフラットに戻すリニア・イコライザを搭載しています。
高域・低域ともに9つのターンオーバ周波数を選べるトーンコントロールを搭載しています。
変化量よりも変化を始める周波数を重視した設計となっており、素直な変化特性が得られるラックス方式NF型トーンコントロールを採用しています。
電源部には、特注EIコアを用いて400VAの容量を持たせ、哇砂で内部を固めて温度上昇を抑えた電源トランスを採用しています。
また、電解コンデンサにはアルミ純度99.99%、音質対策済みで容量30,000μFのものを2本採用しています。
プリ・ヒーティング機能を搭載しており、少量電流を流して温められます。
ウォームアップ・インジケータを搭載しており、安定動作に入った事を確認できます。
ラインフェーズセンサを搭載しており、過程のAC電源の極性を検知して、音質管理が可能です。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・アンプ |
実効出力 | 50W+50W(A級動作、8Ω、両ch動作) |
全高調波歪率 | 0.005%以下(8Ω、両ch動作、-3dB) |
入力感度 | Phono MM:1.6mV Phono MC:80μV Tuner、AUX、Monitor、Main In:220mV |
入力インピーダンス | Phono MM:100kΩ、50kΩ、100Ω Phono MC:300Ω、100Ω、40Ω Tuner、AUX、Monitor:40kΩ Main In:47kΩ |
SN比(IHF-A) | Phono MM:84dB Phono MC:80dB(250μV入力) Tuner、AUX、Monitor、Main In:110dB |
周波数特性 | 10Hz~100kHz -1dB |
トーンコントロール | 低域ターンオーバ:55Hz、77Hz、110Hz、155Hz、220Hz、310Hz、440Hz、620Hz、820Hz 高域ターンオーバ:620Hz、880Hz、1.2kHz、1.7kHz、2.5kHz、3.5kHz、5kHz、7kHz、10kHz 最大変化量:±9dB |
テープモニタ | 3系統(Tape1、2、Tape Front) |
テープダビング | 4系統(1→2、2→1、1→Front、Front→1) |
リニアイコライザ | up tilt、down tilt:各2ステップ(1ステップ1dB) |
消費電力 | 310W |
外形寸法 | 幅453x高さ174x奥行460mm |
重量 | 21.4kg |