LUXMAN L-48X
¥85,000(1981年12月発売)
解説
デュオ・ベータplus-X回路を搭載したステレオプリメインアンプ。
NFB技術の結晶として開発されたデュオ・ベータ回路により、アンプ全段を構成しています。
デュオ・ベータ回路は、NFBの必要がない裸特性の優れたアンプを前提に、2つのNFBを設定するという構成になっています。まず、全帯域に豊かな音質のための適量NFBをかけ、さらに可聴帯域外の超低域から音像を引き締めるDCサーボを組合わせています。
これにより、有害な1/fノイズやフリッカ・ノイズなども除去され、音場の微妙な雰囲気などの再現力を実現しています。
電源部には、強力電源による余裕ある安定化制御のplus-X電源を搭載しています。
大型トランスや大容量コンデンサを採用して十分にインピーダンスの低い電源を構成した上で、音質上最適な帰還量を設定するという、デュオ・ベータ思想を取り入れています。
L-48Xでは段間のカップリングコンデンサをはじめ、音の色付けの原因となるコンデンサを信号経路から排除しています。また、その前提となるDCドリフトにも対策を施しており、特に増幅率の高いイコライザ部には、FET入力オペアンプによるDCサーボを構成して、高安定度のサーボ効果を得ています。
フォノ・ストレート機能を搭載しており、スイッチをONにすると、入力セレクタ、RECセレクタ、フィルタ類、バランス・ボリューム、モノ・スイッチまで切り離して、イコライザ部とパワー部を直結します。
また、接点やシールド線を徹底して排除し、ディスク専用アンプとさえいえるシンプルな回路構成に切替わります。
高品質のハイゲイン・イコライザを搭載しており、MCヘッドアンプなどの回路を付加せずにほとんどのMCカートリッジをダイレクトに接続可能です。
このイコライザは、カスコード接続FETディファレンシャル・アンプを入力とし、A級シングルエンデッド・プッシュプルによる出力の構成で優れた裸特性を得、さらにデュオベータ回路で音質を仕上げています。
ウォームアップインジケーターを搭載しており、アンプ内部の温度を検知して点灯しているLEDを消灯します。
回路の動作が安定状態に入ったことが一目で確認できます。
トーンコントロール回路は、パワーアンプ部のNFBループの中に組み込まれており、シンプルな回路構成で素直な変化特性を得ています。
RECセレクタを搭載しており、今再生しているソースとは関係なく、録音用出力を取り出せます。
微小信号を扱うフォノ入力端子には、接続損失の少ない金メッキを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオ・インテグレーテッド・アンプ |
連続実効出力 | 80W+80W(8Ω、両ch動作、1kHz) |
全高調波歪率 | 0.009%以下(8Ω、定格出力-3dB、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.009%以下(8Ω、定格出力-3dB、60Hz:7kHz=4:1) |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB Tuner、AUX、Monitor1、2:10Hz~100kHz -3dB |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:1.6mV/50kΩ Phono MC-1:1.6mV/100Ω Phono MC-2:0.25mV/100Ω Tuner、AUX、Monitor1、2:200mV/40kΩ |
SN比(IHF-A) | Phono MM:80dB以上 Tuner、AUX、Monitor1、2:110dB以上 |
トーンコントロール | 低域湾曲点:200Hz、400Hz(defeat可能) 高域湾曲点:2kHz、4kHz(defeat可能) |
フィルター | サブソニック:15Hz、off、30Hz ハイカット:9kHz、off、15kHz |
ローブースト | 70Hz、off、150Hz |
付属装置 | フォノ・ストレート・スイッチ モノ・スイッチ シグナルOFFスイッチ ウォームアップインジケーター スピーカーセレクタ ヘッドホンジャック |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:100W 電源スイッチ非連動:100W |
消費電力 | 180W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅464x高さ156x奥行332mm |
重量 | 11.0kg |