LUXMAN L-45A
¥69,800(1980年11月発売)
解説
デュオ・ベータ回路を搭載したステレオプリメインアンプ。
適量NFBとDCサーボの組み合わせたデュオ・ベータ回路を搭載しています。
アンプ回路の裸特性を向上させ適量のNFBをかける事で低歪率を実現しています。また、DCサーボによってダンピングのきいた低域再生を実現しています。さらにDCドリフトの発生を抑圧するとともに、1/fノイズ、フリッカ・ノイズなど超低域ノイズを追放し、スピーカー・ドライブ時の低域歪追放などを実現しています。
高安定度ディスクリート構成イコライザとパワーアンプにより、カートリッジからスピーカーまで、信号経路からコンデンサを完全に追放した構成を採用しています。
特に、高いゲインが要求されるイコライザには、新開発のFET入力オペアンプを搭載しており、DC領域でのサーボ効果を高め、ドリフトを追放しています。
MMカートリッジだけでなく、MCカートリッジもイコライザにダイレクト接続可能です。
イコライザのアンプ回路には、入力にカスコード接続FETディファレンシャル・アンプ、出力にA級シングル・エンデッド・プッシュプルをそれぞれ採用し、従来のアンプ回路に比較して1ケタ以上優れた裸特性を得ています。
(MC-2ポジションの場合、入力感度は0.28mVでほとんどのMCカートリッジが接続可能ですが、ハイインピーダンス型の使用を推奨しています。)
DISC再生系を完全に独立させるフォノ・ストレート機能を搭載しています。
フォノストレートON時には、インプットセレクタや録音出力、バランス・ボリュームなどを切り離し、DISC再生系だけを完全に独立させ、配線や負荷の影響を抑えてます。
トーンコントロールは信号経路のシンプル化のため、パワーアンプ部のNFBループの中に組み込まれています。
これにより、信号経路のシンプル化だけでなく、抵抗やコンデンサなどのパッシブ素子のみによる構成のため、SN比の悪化も起きない素直な変化特性を得ています。
ベースとなるパワーアンプ部には、出力段、ドライバ段ともにft(高域遮断特性)が高く、Cob(コレクタ出力容量)の低い高速スイッチング・トランジスタを採用しています。
電源部には、一般的な定電圧回路と、フィードバックを施さない電源回路のそれぞれの特徴(DC領域での安定性、優れた低域制動力と可聴帯域での音の伸び、雰囲気感などの再現力)を取り入れ、さらに欠点を追放した回路を採用しています。
基本構成は、大型トランスと大容量コンデンサによる強力・低インピーダンス電源をベースとし、可聴帯域ではこの電源の持ち味を生かし、低域からDC領域にかけてフィードバックを加え、安定性と制動力を強化しています。
機種の定格
型式 | ステレオ・インテグレーテッド・アンプ |
連続実効出力 | 65W+65W(8Ω、両ch動作、1kHz) |
全高調波歪率 | 0.009%以下(8Ω、定格出力-3dB、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.009%以下(8Ω、定格出力-3dB、60Hz:7kHz=4:1) |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB Tuner、AUX、Monitor1、2:10Hz~100kHz -3dB |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:1.5mV/50kΩ Phono MC-1:1.5mV/100Ω Phono MC-2:0.28mV/100Ω Tuner、AUX、Monitor1、2:180mV/40kΩ |
SN比(IHF-A) | Phono MM:80dB以上 Tuner、AUX、Monitor1、2:100dB以上 |
トーンコントロール | 低域湾曲点:200Hz、400Hz(defeat可能) 高域湾曲点:2kHz、4kHz(defeat可能) |
フィルター | サブソニック:15Hz、off、30Hz ハイカット:9kHz、off、15kHz |
ローブースト | 70Hz、off、150Hz |
付属装置 | フォノ・ストレート・スイッチ スピーカーセレクタ ヘッドホンジャック |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:100W 電源スイッチ非連動:100W |
消費電力 | 150W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅466x高さ145x奥行333mm |
重量 | 10.5kg |