LUXMAN CL350
¥79,000(1972年8月発売)
¥88,000(年代不明)
解説
トランジスタを用いたコントロールアンプの第一号機。
イコライザ回路にはPNP型とNPN型を組み合わせた3段直結回路をベースに、3段目にはPNP型とNPN型のトランジスタをペアとしたプッシュプル動作方式を採用することで電源利用率を高め、リニアリティの良さを確保しています。
PhonoやMicなどのローレベル回路は一般に1つのイコライザアンプを母体とし、入力回路、出力回路、及び等化定数の3ヶ所を切換えて入力端子を選択するようになっています。
CL350ではおのおのの入力端子に独自のアンプを持たせて入力端子のセレクトを出力回路側だけで行っています。これにより入力回路側の配線がシンプルになり、シールド線による悪影響や切換時のショックノイズが改善しています。
トーンコントロールにはLUX方式のNF型トーンコントロールを採用しています。また、湾曲点周波数は3段切換式となっており、細かい音質調整が可能です。
この回路にはディフィートスイッチを備えており、使用しない場合は回路を飛ばすこともできます。
ハイカットフィルターとローカットフィルターには2点のカットオフ周波数を持たせ、プログラムソースへの影響を最小限に抑えつつノイズの減衰が可能です。
全般にわたってノイズフィギュアの得やすいPNP型の超低雑音シリコントランジスタ主体で構成することでノイズレベルを低く抑えています。
150Hz~300Hzを中心とした周波数帯域を秒妙に調整するローフリークエンシートリマを内蔵しています。
この回路はイコライザ回路の後ろに設けられており、録音出力への影響を抑えています。
レベルコントロール付きのヘッドホンアンプを内蔵しています。
回路は全段直結の純コンプリメンタリー回路で構成されており、出力コンデンサ付き回路となっています。
アッテネーターを搭載しています。
Phono1端子にはインピーダンス切換え、Phono2にはMC型昇圧トランス用ソケットを搭載しています。
また、Aux1と3の端子にはレベルセットが搭載しています。
外装はパワーアンプのM150と同様に白木とローズウッドの2種類がありました。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
周波数特性 | 10Hz~50kHz -1dB |
全高調波歪率 | 0.03%以下(出力1V) |
出力電圧 | 定格:1V 最大:7V(歪率0.3%) |
出力インピーダンス | Pre out:100Ω |
入力感度 | Phono1/2:2mV Aux1/3:110mV(可変) Aux2、Tape1/2:110mV Mic:2.3mV |
入力インピーダンス | Phono1:100Ω、50Ω、30kΩ切換式 Phono2:50kΩ Aux1/3:50kΩ Aux2:100kΩ Mic:50kΩ Tape1/2:130kΩ |
SN比 | Phono:63dB以上 Aux、Tape:80dB以上 Mic:59dB以上 |
耐入力電圧 | Phono:300mV以上 |
イコライザ | RIAA:30Hz~15kHz ±0.3dB |
トーンコントロール | LUX方式NF型湾曲点切換付 低域湾曲点:150Hz、300Hz、600Hz 高域湾曲点:1.5kHz、3kHz、6kHz |
ローカットフィルター | 25Hz、60Hz |
ハイカットフィルター | 7kHz、12kHz |
ローフリークエンシートリマー | ±0.6dB(250Hz) |
アッテネーター | -15dB |
ヘッドホン出力 | 80mW |
付属装置 | テープモニター回路 テープダビング回路 |
使用半導体 | シリコントランジスタ:49個 ダイオード:8個 |
外形寸法 | 幅476x高さ182x奥行244mm |
重量 | 8.8kg |