LUXMAN CL34
¥168,000(1980年11月発売)
解説
デュオベータ回路とDCアンプなどのトランジスタ回路で培った技術を投入して開発された管球式コントロールアンプ。
イコライザ回路には十分なゲインを得るために3段直結増幅回路を採用し、出力段(3段目)はS.R.P.P.(シャント・レギュレーテッド・プッシュプル)としています。
S.R.P.P.は非直線動作を自ら補正するよう動作して歪を打ち消すとともに、出力電圧が高く耐入力を大きくとれ、さらに出力インピーダンスが低いなど様々な利点を持っています。
フラットアンプには、理論的に偶数次歪を発生しない2段差動増幅回路を直結構成で採用しています。
さらにこのフラットアンプのNFBループ内にトーンコントロールを組み込んだ構成となっており、ディフィートも可能にしています。
適量NFBとDCサーボによるデュオ・ベータ回路を採用しています。
管球式アンプの持つ中高域の再現性をさらに高める適量NFBと、低域の制動力を高めるDCサーボという異なる役割を持つ2つのNFBにより全帯域にわたる優れた再生音を実現しています。
無極性コンデンサの極性に着目し、この極性を揃えるとともに、バイアスをかけることによりコンデンサ自身の共振を抑圧しています。
また、全ての抵抗に厳選したものを採用するとともに、要所には特に金属被膜型を採用しています。さらにボリュームコントロールにも、新開発のローノイズ、連続可変型を採用し、音質劣化の追放とともにSN比の向上を達成しています。
全ての入出力端子に金メッキを施しています。
ヘッドホン・アンプにはディスクリート構成の小出力DCアンプを内蔵しています。
サブソニックフィルタやローカットフィルタ、テープモニタ、ダビングスイッチ、アッテネータ、シグナルオフなどの機能を搭載しています。
別売りでローズウッドの天然ツキ板仕上げによるウッドケースがありました。
別売りでMCカートリッジ用昇圧トランスがあります。
1次側の巻線には、音質的に優れた無酸素銅線を採用し、3Ω~40Ωまでのカートリッジに対応します。また、昇圧比は1:10:5、周波数特性は15Hz~100kHzとなっています。
機種の定格
型式 | 管球式コントロールアンプ | ||||
周波数特性 | 3Hz~70kHz -1dB以内 | ||||
全高調波歪率 | 0.008%(2V出力時、20Hz~20kHz) | ||||
出力レベル | 定格:2V 最大:10V |
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出力インピーダンス | pre out:560Ω rec out:680Ω |
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入力感度 | phono1、2:2mV tuner、aux:170mV |
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入力インピーダンス | phono1、2:50kΩ tuner、aux:70kΩ |
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SN比(IHF-A補正) | phono1、2:80dB tuner、aux:100dB |
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許容入力 | 300mV(phono、1kHz、RMS) | ||||
RIAA偏差 | ±0.3dB | ||||
トーンコントロール |
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付属装置 | フィルター(subsonic、defeat、low cut) テープモニター2系統 テープダビング アッテネーター ACアウトレット2系統 |
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使用真空管 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 60W(電気用品取締法) | ||||
外形寸法 | 幅438x高さ77x奥行322mm ウッドケース装着時:幅464x高さ120x奥行338mm |
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重量 | 6.4kg | ||||
別売 | ウッドケース W-34(¥15,000) MCカートリッジ用昇圧トランス 8025(¥43,000、別売りアダプタAD8000:¥6,000) |