オーディオの足跡

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CL-38の画像
 解説 

半導体アンプで培った技術とノウハウを駆使して設計された管球コントロールアンプ。

あえてフォノアンプを搭載せず、ラインアンプのみの構成とすることで完成度の向上を図っています。

最新のデジタルソースに対応して豊かな音楽性を引き出すため信号増幅系は全て真空管で構成しており、初段には6CG7、2段目には12BH7Aを使用しています。
カソードとプレート抵抗によるシンプルなアンプをコンデンサーカップリングした2段構成とすることで、フィードバックも通常の半分程度の20dB以下に抑えています。これにより入力信号のエネルギーを過度に抑圧せずにダンピングに富んだ引き締まった音質を得ています。

電源回路には半導体によって形成された半導体アシスト電源回路を採用しています。
電源の高圧側は大型の電源トランスからラインアンプとトーンコンペンセーター用にL/Rを分離して供給しており、大掛かりなレギュレーターを排してリップルフィルターを使用し、初段/2段目でデカップリングを行う簡潔な構成としています。これにより管球式につきものの多段デカップリングを最少限に抑え、コンデンサーの多用による位相の乱れを回避しています。
また、リレー用は12Vの別電源から供給しています。さらに、ヒーター電源も3系統に分割して別々に整流し、真空管1本ごとに定電流回路を設定するなどのは設計によって相互干渉を排除するとともに真空管の長寿命化を図っています。
その他に、各基板にレギュレーターを配置し、回路との最短距離かによってレギュレーターアウトの引き回しによるループや飛び込みノイズを解消しています。

最新のアンプ技術を応用したアース設計とノイズ対策が施されています。
CL-38では電源のB回路に大型のチョークを2個挿入して電圧の安定を図るとともに、コンデンサーによる音質変化を防ぐために抵抗の多用によるノイズの遮断が行われています。また、必要に応じてシールド板を使用するなど電源や外部からのノイズを可能な限り排除しています。
さらに、定評のあるスターサーキットの考え方を踏襲し、アース電位の明確化にも配慮がされています。

5系統の入力端子とレコーダー用入出力端子を搭載しちえます。切替えはリレースイッチ式となっており、配線の引き回しによる劣化と接点での損失を抑えています。
さらに録音出力やアクセサリー回路用の切替えスイッチにもリレーを使用しています。

トーンコントロールには、高低域のブースとによる通常タイプとは異なり、シーソー式に変化するトーンコンペンセーターを採用しています。また、回路構成は6CG7によるNFタイプとしています。
センター位置ではディフィート状態となりますが、ラインストレートスイッチによってバイパスすることも出来ます。

アンプを支えるベースにはFRPを採用しており、さらに1.6mm厚の大型銅メッキシャーシによってパーツをしっかりと固定した重量級の筐体構造となっています。
これにより外部からの振動を低減しています。

ボリュームには固定抵抗切替え式の32ポイント・アルティメート・アッテネーターを使用しています。

信号系のコンデンサーには全てカスタムメイド品を使用しています。また抵抗には大型カーボン皮膜タイプを厳選して使用しており、完成度を高めています。
また、基板には70μmのガラス・エポキシ・タイプとしています。

ラインフェーズセンサーを搭載しており、電源の極性をチェックできます。

機種の定格
型式 管球式コントロールアンプ
入力感度/インピーダンス CD:170mV/40kΩ
Line1、2、3、4:170mV/40kΩ
Tape Monitor:170mV/40kΩ
出力レベル/インピーダンス 1V(最大)、10V(最大)/2kΩ
全高調波歪率 0.12%以下(1V、1kHz)
周波数特性 20Hz~100kHz ±1dB
SN比 98dB以上(IHF-A)
付属装置 録音出力ON/OFFスイッチ
テープモニター
トーンコンペンセーター
ラインフェーズセンサー
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 47W
外形寸法 幅438x高さ155x奥行428mm
重量 18.0kg