オーディオの足跡

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C-9の画像
 解説 

開発コンセプト、回路技術、コンストラクション、フィニッシュの全てをトップエンドモデルC-10から継承したコントロールアンプ。

C-10に採用されたスーパーアルティメイト・アッテネーターの姉妹モデルとして開発されたアルティメイトボリュームを採用しています。
アルティメイトボリュームでは摺動式の連続可変抵抗における音質的、精度的な問題にメスを入れることで、スペック上においては連動誤差±0.5dB以内(0~-90dB)、最大減衰量-120dB以下という高性能を獲得しています。
このボリュームでは、音質の決め手となる抵抗体の原材料として高密度な分布結合が可能となる新カーボン・コンポジットを開発・採用しています。この素材では素材自体の固有抵抗成分が極めて低く、均一なカーボン層が得られるため、抵抗体以外のイレギュラーなR成分が混入しない理想的な抵抗体プレートを実現しています。
また、従来のボリュームでは、ミクロレベルで観察するとカーボン粒子の分布の一部にムラや切れ目などがあり、この部分に不安定な接触抵抗が発生して第三次高調波などの歪やノイズを発生させていました。この問題は抵抗体とブラシ間の接触抵抗についてはさらに顕著となるため、C-9のアルティメイトボリュームでは抵抗体プレートの表面は鏡面仕上とし、ブラシとの接触条件をより有利なものにしています。この仕上げは研磨処理に依存せず特殊処理によって鏡面レベルの仕上がりを確保しており、表面の軽いフィニッシュ程度で極めて高品位な接触面を実現しています。
さらに、抵抗体プレートと接触するブラシには80本の0.1φマルチワイヤーブラシを採用しており、抵抗体の幅方向全体に直線的にレイアウトされています。適度な接圧と金メッキによる先端処理を施したコンタクトポイントによって電流歪などのないピュアな信号処理を可能にしています。
摺動式の場合に特に有害な要因となりやすい機械的な振動に対処するため、真鍮無垢材からの削り出しによるシールドケースなどの構造体をはじめ、同材料を使用した8φのブラスシャフト回転軸などメカニカルな部分に到るまで堅牢な構造としています。特に、2点支持で構成される軸受の部分には含油メタルを使用しており、クリアバランスやバックラッシュの無い高い精度を実現しています。また、非磁性体である真鍮材の採用によって磁気歪の問題からも解放されています。

フラットアンプ部には完全バランス構成のCSSC回路を採用しています。
CSSC回路は全段直結ピュアコンプリメンタリー構成のシングルスタガー・サーキットとなっており、極めて位相特性に優れた回路なため、最小限度の補正で安定した動作を実現しています。
C-9では、この回路をホット/コールドラインに配し、2つのアンプを同一条件で駆動することで、増幅基準点に起因する電位差や時間軸での位相差の問題も解消しています。また、CSSC回路への入力部にはコンプリメンタリー構成のバッファーアンプが挿入されており、高い入力インピーダンスを確保しながらハイスピードに完全バランスCSSC回路へ信号を送り込んでいます。

全ての帯域を自然な音色で統一するためODβ回路を搭載しています。
C-9ではCSSC回路の採用によって直流安定性を飛躍的に高めており、さらに回路の裸特性を高度に練り上げることによってDCサーボアンプの削除を可能にしています。また、全帯域のNFBでは回路ごとに最適な帰還量を設定し、全音楽帯域のエネルギーバランスをコントロールする事で自然な音楽表現力を得ています。

電源部には独自のハイ・イナーシャ電源を採用しています。
一般的な電源回路ではNFBによって安定化を図っていましたが、音楽のリアルタイムとフィードバックされて制御が働くまでの間の時間差によって電源電圧が絶えず小刻みに揺れ続けていました。さらに、時間軸上でフィードバック点から少し離れたポイントでは逆に大きな変動となってしまい、音楽信号に著しい影響を及ぼしていました。
ハイ・イナーシャ電源では従来の電圧のNFB制御による電源の安定化という考え方そのものを転換しており、瞬時放電能力に優れた独自の大容量カスタム電解コンデンサーによって電源エネルギーを貯蓄し、そこに充分な余裕を持たせることで、NFB制御に依存することなく常に一定のエネルギー保持を実現しています。

電源部にはハイ・イナーシャ電源用に開発されたカスタムコンデンサーを採用しています。
ハイ・イナーシャ電源では、単純に多くの電荷が蓄積できるだけでなく、瞬時応答性能に優れ、あらゆる周波数レンジで可能な限り出力インピーダンスが低く、またパーツ自体のキャラクターが音質に与える影響が少ないものが理想です。
ラックスマンではコンデンサーメーカーとの共同開発によって特殊仕様である瞬時充放電のコンデンサーをオーディオ用としてチューニングすることに成功しており、大容量とハイレスポンスという相反する条件を満たすことでハイ・イナーシャ電源を実現しています。

独立電源ルーム方式を採用しており、シャーシ構造から独立した電源ルーム内に電源トランス、整流ダイオード、ブロックコンデンサーなどを格納することで、リーケージフラックスを遮断するだけでなく、メカニカルな振動に対しても防振材でメインシャーシからアイソレートしています。この構造によって電磁的、機械的ノイズの発生源を断つと共に外部からの影響も排除しています。

シャーシ構造は大質量FRPベースによる高剛性コンストラクションとなっています。
重量級5点設置FRPベースをボトム構造に肉厚の硬質なシャーシ材によって各パーツをマウントすることで、不要振動や共振の影響を遮断しています。

高級カスタムパーツをふんだんに採用しており、小容量コンデンサーや銅シールド付き銅箔スチロールコンデンサー、信号系の切換え用に用いられる密閉型金張り接点リレーもラックス特別仕様のカスタムメイド品となっています。

入力はコアキシャル6系統とバランス2系統、出力はコアキシャル2系統とバランス2系統を搭載しており、バイアンプ駆動においてもコアキシャル/バランスのいずれも選択できます。
テープ系の入出力も2系統装備しており、録音出力用のバランス/アンバランス変換アンプには新開発のハイブリッドICチップを採用することで高精度な変換を実現しています。
また、バランス接続端子にはメタルタイプのXLR端子を採用するなど、信頼性と耐久性の高い素材を使用しています。

バランス入力でのホット/コールドを入れ換えるインバーテッドスイッチを搭載しています。

L/Rを入れ替えて出力するリバースモードスイッチを搭載しています。

NF型トーンコントロールを搭載しています。

トーンコントロールとバランス回路をバイパスするラインストレートスイッチを搭載しています。

アルミ削り出しの特厚フロントパネルを採用しており、特殊な梨地の表面仕上げが施されています。

C-9からC-9IIへのバージョンアップサービスが行われており、フラットアンプ基板のバージョンアップが可能でした。

機種の定格
型式 コントロールアンプ
入力感度/インピーダンス Tuner、CD、Line1~4:150mV/50kΩ
バランスLine1、2:150mV/100kΩ
出力レベル/インピーダンス コアキシャル:定格1V/300Ω
         最大7.5V
バランス:定格1V/600Ω
      最大7.5V
全高調波歪率 0.005%以下(定格)
周波数特性 20Hz~20kHz +0 -0.1dB
S/N比 110dB以上
トーンコントロール Treble:ターンオーバー3kHz、最大±8dB、10kHz±6dB
Bass:ターンオーバー300Hz、最大±8dB、100Hz±6dB
付属装置 テープダビング2系統(1→2、2→1)
Rec off
ストレートスイッチ
出力モード切替スイッチ
リモート(Power)出力
ライン・フェーズ・センサー
出力位相切替スイッチ
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 38W(電気用品取締法)
最大外形寸法 幅467x高さ187x奥行475mm
重量 22.0kg
別売 C-9IIへのバージョンアップ(¥200,000)