解説　

薄型設計のDCコントロールアンプ。

全てのアンプ回路をDC化したDCアンプ構成となっています。
イコライザーアンプ部は、初段のFET採用の差動増幅回路と、これを補助するカスコード回路、カレントミラー回路、定電流回路などをブロックしたDML-ICを採用しています。そして、定電流回路付きのカスコード回路、A級増幅のSEPPによる出力回路を組み合わせています。
フラットアンプ部は、イコライザーアンプと同じDML-ICに定電流回路付きのエミッターフォロアによる出力回路を組み合わせたDCアンプ構成となっています。

独自のDML-ICを採用する事で、温度などの外部条件の変化に伴うDCドリフトの発生に対処しています。

あらゆる角度から検討したシャーシレイアウトを採用しており、信号経路のシールドを殆ど排除して入力回路を最短コースで配線しています。
また、イコライザー部とフラットアンプ部などアンプとして基本となる回路を全て1マイの基板に納め、左右チャンネル間の完全分離化を図るなどによって優れた周波数特性とS/N比、安定性とクロストーク特性を実現しています。

ボリュームには、連続可変タイプでありながら極めて精度が高く、左右チャンネル間の連動誤差が殆ど無く、さらに音質的な改善を施した新型ボリュームを採用しています。
また、抵抗、半固定抵抗、コンデンサーなどの各種パーツにも十分な検討が加えられています。

超低域ノイズを効果的に除去するため、ツインT型フィルターを搭載しています。
このフィルターはアクティブな素子を用いずにコンデンサーと抵抗だけで構成でき、5Hz～10Hzの超低域ノイズだけを効果的に除去しています。

リニアイコライザーを搭載しており、ディスクやテープなどのプログラムソースの録音特性の補正を行う事ができます。

-15dB～-40dBの範囲でプリセットが可能なアッテネーターを搭載しています。

2系統のテープモニター回路やテープダビング回路などの機能を搭載しています。

機種の定格

型式	コントロールアンプ
出力電圧	Pre out 　定格:1V 　最大:18V(歪率0.005%)
出力インピーダンス	Pre out:100Ω
全高調波歪率	Phono1/2:0.005%以下(Rec out、2V、20Hz～20kHz) Tuner、Aux1/2:0.005%以下(Pre out、2V、20Hz～20kHz)
周波数特性	Phono1/2:20Hz～20kHz ±0.2dB Tuner、Aux1/2:1Hz～200kHz -0.5dB
入力感度(Pre out、1V)	Phono1/2:2.3mV Tuner、Aux1/2:150mV
入力インピーダンス	Phono1:30k～100kΩ Phono2:50kΩ Tuner、Aux1/2:50kΩ
SN比(IHF-A補正、入力ショート)	Phono1/2:83dB以上 Tuner、Aux1/2:100dB以上
入力換算雑音(IHF-A補正、入力ショート)	Phono1/2:-135dB/V Tuner、Aux1/2:-117dB/V
セパレーション	Phono1/2:85dB以上(1kHz) Tuner、Aux1/2:95dB以上(1kHz)
付属装置	リニア・イコライザー サブソニックフィルター 入力インピーダンス調整(Phono1用) テープモニター回路(2系統) テープダビング回路 録音出力スイッチ アッテネーター(プリセット可能)
ACアウトレット	Switched:2系統 Unswitched:1系統
電源電圧	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	15W(電気用品取締法)
外形寸法	幅438x高さ78x奥行363mm
重量	6.5kg