Lo-D FT-8000
¥75,000(1979年頃)
解説
クォーツロックデジタルシンセサイザーによる高精度特性およびマイクロコンピューター制御による6局プリセット選局などの操作性の向上を図ったFM専用デジタルシンセサイザーチューナー。
マイクロコンピューターを導入することで自動選局を実現しており、アップ、ダウン2系統設けられた自動選局のキーボタンによって希望局への迅速な同調を可能にしています。
ボタンを押すと受信周波数を100kHzごとにスイープして、コンピューターが放送波をキャッチし、あとは同調の命令を出すだけで選局されます。
また、6局プリセット選局も可能です。メモリー方法は記憶させたい局を受信しながらメモリーキーを押し、メモリー書き込み表示が点灯中に6局のメモリーの希望チャンネルボタンを押せば完了します。
クォーツシンセサイザー方式の採用により受信周波数は放送波の割り当てられた100kHzおきにクォーツロックされ、同調点が歪最小点に一致します。
さらに、温度、湿度に左右されない安定したチューニングを維持します。
フロントエンド部では、デュアルゲートMOS FETを使用したRFアンプと入力段と段間にそれぞれダブルチューンを採用し、高感度と高選択度を実現しています。
さらにRF AGC回路を設ける事で妨害電波に強い構造としています。
ステレオ時に放送局より送信される19kHzパイロット信号を取り除くため、パイロット信号キャンセル付PLL
ICを採用しています。
基本性能を高めるため、部品ひとつひとつに厳選された高精度のものを採用しています。
ディエンファシス回路には許容誤差±1%以内の高精度部品を採用し、高品質を実現しています。
受信周波数を表示するデジタルディスプレイは、時刻表示スイッチを押す事でクォーツ時計として使うことも可能です。
また電源スイッチを切ったときは自動的に時刻を表示するため、放送受信時以外は正確なクォーツ時計として利用することが可能です。
ビル共聴アンテナなどから電波を取り入れる場合に、テレビとの相互変調妨害を受けるのを防ぐため、セット裏面にTVトラップ回路を搭載しています。
ミューティング回路はシュミットトリガー回路でリードリレースイッチをドライブし、ミュート抑圧効果を-85dB以上上げると共に同調時のポップ音を防いでいます。
LEDによる5段階シグナルインジケーターを搭載しています。
Recレベルチェックスイッチを搭載しています。
マルチパススイッチを搭載しています。
アンテナ入力に75Ω同軸コネクターを採用しています。
金メッキの出力端子とケーブルが付属しています。
ブラックモデルの他にシルバーモデルもありました。
機種の定格
型式 | FMデジタルシンセサイザーチューナー |
回路方式 | マイクロコンピューターコントロール デジタルシンセサイザー方式 MOS FET採用RF段 5連電子同調フロントエンド Quadrature検波 PLL MPX |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
S/N50dB感度(IHF/新IHF) | mono:4.8μV/18.7dBf stereo:45μV/38.2dBf |
全高調波歪率(400Hz) | mono:0.12% stereo:0.12% |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
実効選択度 | 80dB |
相互変調妨害比 | 95dB(2.5MHz) |
S/N | mono:75dB stereo:72dB |
ステレオセパレーション | 50dB |
周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.2 -0.6dB |
イメージ妨害比 | 110dB |
IF妨害比 | 94dB |
AM抑圧比 | 60dB |
アンテナ | 300Ω不平衡 75Ω平衡 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力(電気用品取締法) | 17W |
外形寸法 | 幅435x高さ78x奥行369mm |
重量 | 6.1kg |