Lo-D HMA-8500
¥150,000(1982年頃)
解説
HMA-9500mkIIの回路技術や実装技術を継承し、さらにデュアルサーボ回路を搭載したステレオパワーアンプ。
フィードバック理論を追求して開発されたデュアルサーボ回路を搭載しています。
この回路は、信号の負帰還ループとは別に設けられた新開発のデュアルサーボ回路により、出力端子に発生する直流成分と歪成分を検出し、さらに負帰還をかける構造となっています。これにより、出力端子に発生する直流成分と歪成分が低減しています。
回路構成は、初段が差動増幅器、2段目がカレントミラー回路を負荷とする差動増幅器で構成されており、パワーMOS
FETピュアコンプリメンタリー回路をダイレクトにドライブしています。
B級アンプで発生するスイッチング歪を大幅に低減するため、ノンカットオフA回路を採用しています。
ノンカットオフA回路は、B級アンプと同じ動作をしつつ、出力段のバイアス電圧を入力信号に応じて自動制御しており、出力トランジスタを常にONの状態にしています。
前面にBTL(Balanced Trans less)切換スイッチを搭載しており、モノラルアンプとしての使用も可能です。
左右独立にトランスを設け、電源を介してのトランジェントクロストークを排除しています。また、平滑コンデンサーは音質向上を図るべく徹底して低インピーダンス化しています。
大型パワーメーターを搭載しています。
ダイレクトアウトプット方式出力端子を搭載しています。
2色のカラーバリエーションがあり、後期はブラックバージョンが販売されていました。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
実効出力(両ch駆動) | 100W+100W(8Ω、5Hz~20kHz) 250W(BTL時、8Ω、20Hz~20kHz) |
全高調波歪率 (8Ω、定格出力時) |
0.003%(5Hz~20kHz) 0.002%(1kHz) 0.005%(BTL時、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.003%(定格出力時、8Ω) |
周波数特性 | DC:0.5Hz~100kHz Low cut:4Hz~100kHz +0 -1(ダイレクトカップリング入力端子) |
入力感度/インピーダンス | 1V/47kΩ |
SN比(IHF-A、入力ショート) | 118dB |
ダンピングファクター | 100 |
定格消費電力 | 245W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅435x高さ165x奥行320mm |
重量 | 16kg |