Lo-D HCA-8300
¥60,000(1976年発売)
解説
ダイナハーモニー方式パワーアンプとのペアを想定して開発されたステレオコントロールアンプ。
イコライザー回路部は、初段FET差動-PNP差動-定電流駆動NPN3段直結7石構成を採用しています。
カップリングコンデンサーには入力にコンデンサーレス(ICL)方式、出力に高域特性の優れた無誘導メタライズドポリエステルフィルムコンデンサを使用し、周波数特性、位相特性の改善を図っています。
また、ローノイズFETや高耐圧ローノイズトランジスタを使用し、広帯域にわたって安定に十分なフィードバックをかけることにより、諸特性の改善を図っています。
トーンコントロール回路は、初段FET差動低電流駆動PNPプッシュプル3段直結6石構成を採用しており、厳選されたローノイズFETや高耐圧ローノイズトランジスタを使用することで、低歪率化を実現しています。
また、トーンボリュームが中央でディフィートとなり、うねりのない音質可変が連続的に行える方式を採用しています。
さらに、2軸ボリュームによって左右別々に音量調整が可能で、ターンオーバー周波数の切換えやトーンディフィートスイッチにより音質補正も可能です。
従来のトリミング方式ディテントボリュームではワンステップおきに減衰特性が標準値に対してずれる欠点がありました。HCA-8300ではこれを改善するため、ボリュームには新方式マスクを使用した32接点のディテントボリュームを採用しています。
減衰特性は0から-30dBまでは2dBステップ、-30dBから-70dBまで3dBステップで調整可能で、さらに4連ギャングボリュームを採用して小音量で聴く時のS/Nの向上を図っています。
ローフィルター回路を搭載しています。
また、微調整範囲を広げる3段ゲインセレクターを搭載しています。
Phono1のレベル微調整が可能です。
ヘッドホンアンプ回路を内蔵しています。
リードリレーにより電源on時にミューティングが働きます。
写真で使用されているラックハンドルは別売りオプションとして販売されました。
機種の定格
型式 | ステレオコントロールアンプ | ||||
回路方式 | イコライザーアンプ:初段FET差動PNP定電流駆動NPN3段直結ICL コントロールアンプ:初段FET差動定電流駆動PNPプッシュプル3段直結 |
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入力感度/インピーダンス | Phono1:2~6mV/50kΩ Phono2:2mV/50kΩ Tuner、Aux1、2、Tape1、2:100mV/50kΩ |
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最大許容入力 | Phono1:400mV~1,200mV(RMS、1kHz) Phono2:400mV(RMS、1kHz) Tuner、Aux1、2、Tape1、2:10V以上 |
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出力レベル/インピーダンス | Tape rec(pin):100mV/600Ω Tape rec(din):40mV/80kΩ Pre out:1V/600Ω Headphone:70mV/90Ω |
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最大出力レベル | Pre out:7V以上 Rec out:20V |
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周波数特性(RIAA偏差) | Phono1、2:20Hz~20kHz ±0.2dB Tuner、Aux1、2:5Hz~100kHz +0 -1.5dB |
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S/N(IHF、Aネットワーク) | Phono1、2:75dB Tuner、Aux1、2、Tape1、2:100dB |
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残留ノイズ | Pre out:8μV Headphone:40μV |
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歪率(20Hz~20kHz) |
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トーンコントロール |
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フィルター | Low:20Hz、12dB/oct High:8kHz、6dB/oct |
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ラウドネスコントロール (Volume -30dB) |
+8dB(100Hz) +4dB(10kHz) |
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ゲインセレクター | -5、-10、-20dB(加算可能) | ||||
使用半導体 | トランジスタ:26個 FET:8個 ダイオード:16個 IC:2個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:2系統 |
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定格消費電力 | 9.5W(電気用品取締法) | ||||
外形寸法 | 幅435x高さ152x奥行308mm | ||||
重量 | 6.5kg | ||||
別売 | キャリングハンドル TA-2(¥3,500) |