オーディオの足跡

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Model 105/3Sの画像
 解説 

ロングセラーを続けたモデル105の系譜を継承しつつ最新のノウハウを注いで開発されたトールボーイ型スピーカーシステム。

低域再生能力を高めるため、20cmコーン型ウーファーを2個用いたTCC(ツイン・カップルド・キャビティ)方式を採用しています。
この方式では、エンクロージャー内部に2つのウーファーを上下に水平に取り付けた構造を採用しており、ウーファーをツインドライブすることによってエアーダイアフラムと呼ばれる低音域用ポートから瞬時性に富んだ自然な重低音を放射しています。
この構造はバスレフ方式と似て見えますが動作原理が異なります。バスレフ方式では量的な低音感を増すために共鳴効果を利用しているため、一波長遅れてから音として再生されたり、楽音とは無関係にまとわりつくような低音表現になりがちでした。TCC方式では上下に水平にされたウーファーはそれぞれ密閉キャビティを持っており、そのウーファー間に挟まれた中間スペースにエアーダイアフラムを配しているため、ウーファーの動きに対して空気層が有効な負荷となり、高効率を実現しています。
さらに、2つのウーファーは特殊ロッドによって互いのマグネット部が連結されており、こもりの原因となる遅延共振を防止するフォースキャンセルの役目を果たすだけでなく、上下2つの磁気回路が与える力を余さず音響エネルギーに変換してます。
このTCC方式では、バスレフ方式で起きていた共振周波数以下でユニットとダクトが逆位相となって発生するキャンセル現象を防いでいます。

中低域用にはポリプロピレン振動板を用いた16cmコーン型ミッドバスウーファーを2個搭載しています。

中高域には16cmコーン型ユニットと2.5cmソフトドーム型トゥイーターで構成された同軸ユニット UNI-Qドライバーを搭載しています。
UNI-Qドライバーは平面上だけ統一された同軸ユニットとは違い、奥行き方向の単一音源化も図るためトゥイーターとドライバーの2つのユニットの音響的中心を完全に重ね合わせた構造を採用しています。
このUNI-Q構造を実現するため、トゥイーターの磁気回路にはフェライトの10倍のエネルギーを持つ新磁性体ネオジウム・アイアン・ボロンを採用しており、小型化したトゥイーターの磁気回路を低音域ユニットのボイスコイルの中に重ね合わせた構造となっています。

ユニットレイアウトは中心にUNI-Qドライバーを設置して上下に低域用ユニットをマウントしたバーチカル・ツイン方式のとなっています。これにより全ての音源が空間の同一点で一致し、全周波数帯域に渡って明快な音像感が得られています。
また、UNI-Qドライバーとツインドライブのミッドバスウーファーは厚さ75mmのバッフルブロックをくりぬいてマウントされています。このバッフルブロックには固有の共振周波数を持たないよう配慮した高圧縮型チップボードのMDFを採用し、しかもエンクロージャーからセミフローティング構造とすることで音質に悪影響を与えるエンクロージャーの不要振動を遮断しています。
さらに、各ユニットの背面はポットと呼ばれるアルミダイカストカバーによって分離されており、相互干渉を防いでいます。

KEF独自のCLM(コンジュゲート・ロード・マッチング)機構を採用しており、不規則で複雑なインピーダンスを可聴周波数帯域にわたって限りなくフラットな抵抗値に変換しています。これによりどのような条件下でも安定した音質を得ています。

エンクロージャーには厚さ22mmの素材を採用しており、内部は不要な共振を排除する徹底した防振構造を採用しています。
また、外観は一枚の突き板をスライスして木目を左右対称に合わせた美しいウォルナットの木目仕上げが施されています。

各ユニットはペア特性が厳密にコンピューター管理されており、L/R差が0.5dB以内に抑えられています。

また、バイアンプ駆動を考慮してセパレートの大型入力端子を搭載しています。

脚部には取り外し可能なスパイクとスパイクカバーを装備できます。

機種の定格
方式 4ウェイ・5スピーカー・TCC方式・トールボーイ型
使用ユニット 超低域用:20cmコーン型x2
低域用:16cmコーン型x2
中高域用:16cm同軸型(16cmコーン型、2.5cmドーム型)
周波数特性 50Hz~20kHz ±2.5dB(軸上2m)
音圧レベル 93dB(基準軸上1m、50Hz~20kHz、無響室、2.83Vrmsピンクノイズ入力時)
インピーダンス 4Ω(±2.5dB、50Hz~20kHz)
クロスオーバー周波数 160Hz、400Hz、2.8kHz
定格入力 150W
最大入力 300W
外形寸法 幅280x高さ1,104x奥行405mm
重量 42kg