オーディオの足跡

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Model8Tの画像
 解説 

モデル8の改良型にあたるステレオパワーアンプ。

モデル8Tとモデル9Tは、ハイエンドプリアンプであるコヒレンスの開発にあたってジェンセン社が新開発したワインディング技術による超精密インプットトランスを採用したことがきっかけでバージョンアップされました。

アンプ回路にはディファレンシャルモードバランス回路を採用しており、電圧を半分に抑えるとともに電源がリアルタイムで信号の両位相に対しコモンとなるためアンプ回路自体で電流サプライエラーを排除しています。また、全段にわたってNFを全くかけておらず、音楽ソースの忠実な再現に配慮しています。さらにトランスインピーダンスアンプ技術を全段に応用し、音域の拡大やセトルタイムの短縮、全音域にわたる低歪化、シンプル化を実現しています。
バイアスコントロール部と信号回路は互いに独立しており、バイアスは厳密な電圧、温度コントロールができているため、安定したパフォーマンスを可能にしています。

パワートランジスタには厳選マッチングを行った20個の出力トランジスタを採用しています。また、CAD、CAMコンピューターソフトを用いたドライバーステージをコンパクトにまとめ、1機のモジュールに収めることによって各素子間の距離を短縮し、ハイスピードのパフォーマンスを実現しています。この入力モジュールにはジェンセンの超精密インプットトランスを搭載しています。
トランジスタと共振対策の施されたモジュールは特殊制振材とボルトによってヒートシンクに固定されており、共振による悪影響を防いでいます。

電源部には特殊構造、低磁束密度の新設計トロイダルトランスをジュラルミン削り出しの円筒に2機収納して密封して搭載しています。また、パワーコンデンサーも640,000μF搭載しており、瞬時のパワー要求にも対応しています。
この電源部はジュラルミン削り出しのブリッジにカップリングされており、前後のインナーシャーシでサポートするリジット構造となっています。

アンプ回路はウォームアップ時間を短縮するためにスタンバイ状態に保たれています。
また、熱安定回路を搭載することでどんな環境下においてもアンプ内の温度を一定に保ち、安定動作を保証しています。異常を検知した場合にはマグネティックサーキットブレーカーが動作して機器の安全を保護します。

バイアス電流についてはヒートシンク温度を高精度モニターで検知し、外部温度に関係なく一定の温度とバイアス電流を保証しています。

シャーシ部はNC切削機によって宇宙産業製造工場で製造されており、全て6061航空機グレードハードアルミブロック精密削り出しとなっています。また、ヒートシンクはシャーシ一体となっており、さらにフィン厚を黄金比に配置することでシャーシのレゾナンスを0.5Hzに抑え、マイクロフォニックノイズの発生を抑えています。

リアパネルにはミューティング、フェイズ変換、インプットインピーダンス変換、ゲイン変換スイッチを装備しています。

入出力端子には空芯スピーカーターミナルやロジウムRCAジャック、金メッキXLR等の高品位パーツを使用しています。
さらに内部回路との機械的インピーダンスマッチにも配慮しています。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力 250W+250W(8Ω、Continuous RMS watts)
400W+400W(4Ω)
600W+600W(2Ω)
パワーバンドウィズ 0.1Hz~160kHz -3dB
THD and noize 0.1%未満(オーディオ帯域内)
ダンピングファクター 100以上(20Hz~20kHz、8Ω)
出力電流 50A(連続)
100A(ピーク)
ゲイン(オーバーオール)/感度 26dB/141mV、32dB/71mV、切替式
入力インピーダンス single ended:50kΩ、300Ω、切替式
balanced:100kΩ、600Ω、切替式
CMRR 75dB以上(20Hz~20kHz)
Absolute phase 切替式(バックパネル)
Input mute 切替式(バックパネル)
入力端子 RCA、XLR、切替式
出力端子 2系統、バインディングポスト
消費電力 100W(スタンバイ)
300W(operating)
外形寸法 幅445x高さ285x奥行560mm
重量 60kg