Jeff Rowland Consummate
¥1,300,000(1990年発売)
解説
プリアンプの最高峰として微小信号を再現できる能力と多彩な入力系統をコントロールできる操作性を追求したプリアンプ。
信号増幅は全て高電圧・大電流のクラスA動作FETを配したノンNFB回路によって行っており、入力と出力の直結性を重視したダイレクトカップリング設計により信号経路にキャパシターを組み込まないことで信号の純度を維持しています。
ジェフローランド独自のディファレンシャルモードテクノロジーを導入しています。
この方式ではグランドを基準としておらず、プラスとマイナスの差を認識するディファレンシャルモード・バランス回路を採用することにより、SN比を改善しています。そして、信号を同レベル逆相で送り、差動アンプで受けてノイズ等の同相成分は減産にてキャンセルすることで超高域に至るまでコモンモードリジェクションレシオを大幅に高めています。
出力インピーダンスは150Ωと300Ωの切換式となっています。
バランス伝送の場合出力インピーダンスは2倍になるため、600Ω入力インピーダンス設定の可能なModel7などのパワーアンプとのマッチングも取れます。
主要な回路はエポキシ・モジュールにカプセル化する方式を採用しており、機械的な強度を維持しつつ温度特性の安定化を実現しています。
CAD/CAM技術を駆使することにより信号経路のコンパクト化と短距離化を徹底しています。
電源部は2ステージで電源レギュレーションを行う構成となっています。また、パワーサプライを別ユニットに収納することで微小信号を扱う回路への悪影響を抑えています。
DC電源はパワーケーブルを通じてメインオーディオ基板へ送られ、フィードバックを排したディスクリート構成のレギュレーター16個が、パワーケーブルや基板におけるインダクタンス変動を抑えつつDC電源ディストリビューションを行います。
回路基板にはMILスペックの製品のみを厳選して使用しています。
さらに、Vishay超高精度抵抗やOFC線材を採用しています。
6系統のライン入力を備えており、うち3系統はバランス接続が可能です。
ボリュームコントロールやミュート、左右チャンネルバランスコントロールなどの操作はマイクロプロセッサーによって制御しており、高圧ガス封入によるハーメチック・シールド金接点リレーを使用することで信頼性を確保しています。
スイッチングは全て入力段において行うことで音質への影響を抑えています。
ボリュームコントロールには10ビットマイクロプロセッサーを用いた200ステップ抵抗マトリクスを使用しており、一般的な回転式ポテンションメーターでは得られない精度と音質を実現しています。
6系統全ての入力についてレベル設定をメモリー/リコールすることが可能となっており、全ソースを常に一定のセッティングでリスニングできます。
全ての操作を専用リモートコントローラーで離れたところから操作できます。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
ゲイン | 16dB |
入力感度(IHF) | 78mV |
入力インピーダンス | 600Ω、10kΩ、100kΩ |
入力 | バランスライン:3系統 アンバランスライン:3系統 |
周波数特性 | 0.05Hz~600kHz -3dB |
SN比 | 88dB(A-WTD、500mV基準) |
THD(2.5Vrms) | 0.008% |
最大出力レベル | 8Vrms |
出力インピーダンス | 150Ω、300Ω選択可能 |
出力 | XLRバランス:1系統 ノンインバーティングアンバランス:1系統 インバーティングアンバランス:1系統 |
外形寸法 | 幅380x高さ140x奥行350mm |
重量 | 12.8kg |