JBL L150
210,000(1台、1979年発売)
¥250,000(1台、1980年頃)
¥230,000(1台、1981年頃)
解説
ライブ演奏そのままを彷彿させる大音量レベルの再生を目指して開発されたスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーである128Hを搭載しています。
このユニットにはJBL独自のSFG(Symmetrical Field Geometry=対称磁界型)を採用した4.7kgのフェライト磁気回路を搭載してます。
SFGではフェライトのメリットである低歪率でしかも磁気特性の経年変化の少ない点を生かし、トッププレートとポールピースの間の磁界が全くの対称となるよう設計されています。また、ポールピース下部にファラデーループと呼ばれる高電導率のリングを取付け、コイルインピーダンスに影響を与えることなく構造体内の相互磁束を安定させています。これにより、そこで誘起される第2次高調波歪を減少しています。これにより、低域特性や耐入力特性などウーファーの物理特性が大幅に向上しています。
振動系には最適質量と密度をもつ硬質コーン紙や7.5cm径の銅リボン線エッジワイズ巻ボイスコイルなどを採用してます。
低域には新開発の30cmコーン型パッシブラジエーターであるPR300を組合せています。
これにより超低域までレスポンスを伸ばし、ダイナミックレンジの改善を図っています。
中域には13cmコーン型ミッドレンジであるLE5-10を採用しています。
LE5-10ではコーン紙に硬質のものを採用するとともに、ボイスコイルには過大入力に対しても安定している精密設計の2.2cm径銅リボン線を採用し、磁気回路には14000ガウスの磁束密度のものを採用しています。
また、ウーファーユニットとの背面干渉を防ぐために独立したサブチャンバーに収納されています。
高域には2.5cm径ドーム型ツィーターである033を採用しています。
振動板は樹脂含浸のリンネル製のものを採用しており、2.5cm径アルミリボン線ボイスコイルや14000ガウスの磁気回路の採用で高音域のパルシブな信号に対してもリニアリティがよく、大出力時にも歪のない音を実現しています。
ネットワーク部はユニット間の位相乱れを防ぐ位相修正回路やインピーダンス補正回路などを含む回路を独自にプリント基板化して採用しており、ユニット間のつながりを改善しています。
また、中音域用、高音域用に連続可変レベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーは全体に1.9cm厚の硬質パーチクルボードを採用しています。
ネットグリルにはキャメル、レッド、ブラウンの3色のカラーバリエーションがありました。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・パッシブラジエーター方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型(128H) 中域用:13cmコーン型(LE5-10) 高域用:2.5cmドーム型(033) その他:30cmコーン型パッシブラジエーター(PR300) 専用3ウェイネットワーク |
許容入力 | 200W(連続プログラム) |
インピーダンス | 8Ω |
クロスオーバー周波数 | 1kHz、4kHz |
出力音圧レベル | 88dB(新JIS) |
外形寸法 | 幅432x高さ1,054x奥行330mm |
重量 | 36.4kg |