オーディオの足跡

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RS-2の画像
 解説 

RS-1(Reference Standard I)に匹敵する表現を実現するために独自の技術を投入したスピーカーシステム。

RS-2は回折ウイングとポイントソース理論によって設計されています。
ポイントソース理論とは、無限小の振動球から全ての周波数を全ての方向に放射するという音響理論ですが、これは現実的には不可能という理由からやや曖昧に扱われていました。RS-2では聴取位置でポイントソースによる伝送と同等の効果を生み出すように設計することでポイントソース理論に近づけています。
RS-2ではIRSと同様になだらかに湾曲した回折ウイングをスピーカーエンクロージャーに採用しており、回折ウイングを採用することで直接波と反射波の干渉によるディフラクションを抑えています。RS-2では分割されていたウーファーユニットを回折ウイング内に組み込んでいます。また、全帯域にわたって指向性を改善するため特に高域は後面にもユニットを搭載することで双指向性とし、さらに音像のピントがツィーターに絞りこまれていくようにユニットを配置することでトータルの焦点を明確化しています。
さらに、RS-2では新開発のワトキンス・ネットワークを採用することでポイントソース理論を実践しています。

ネットワーク部にはワトキンス・ネットワークを採用しています。
この方式では複数ユニットの上限ロールオフ・ポイントをスたがーする構造を採用しています。ウーファーユニットは下側が60Hz、上側が125Hz、ミッドレンジは上下2個が1.5kHz、中央が3kHzでそれぞれロールオフされています。これにより3種類のユニット構成で5ウェイとしてドライブされており、ユニット配置などのシステム設計と相まって、球面波の実現と音像の焦点の明確化を両立しています。

エンクロージャーはソリッドオークの回折ウイングにウーファー部を組込んだ構造となっています。
ウーファー部は内部を2分割して干渉を排除しており、さらに前面に突き出させることでリニアフェイズ化しています。

低域には25cmコーン型ウーファーを2個搭載し、中域には12.5cmコーン型ミッドレンジを3個搭載しています。
これらのユニットの振動板にはポリプロピレンコーンを採用しています。ポリプロピレンはQ値が紙コーンの90~100に比べて7~9と非常に低く、優れた直線性を示しています。また、ヤング弾性係数も高いため過渡的な大入力によるコーン歪もほぼ解消されており、クリアな再生音を実現しています。さらにポリプロピレンコーンはエンクロージャー内のバックウェーブに対しても効果的なソニックバリアを形成し、引き裂き力にも強く、135℃の高温にも耐え、湿度に影響されることもないなど、数々の優位点を持っています。

高域にはEMITを3個搭載しています。
高域に搭載されたEMIT(Electromagnetic Induction Tweeter)はEMIMと同様に強力なサマリウムコバルトマグネットの間に超薄型・超軽量のプラスチックダイアフラム振動板をサンドイッチした全面駆動型ツィーターです。
32kHzの超高域までフラットに再生することが可能となっており、しかも主放射源が1 1/2インチ幅のため、60゜方向でも-2dB(20kHz)という優れた水平指向特性を示しています。

機種の定格
方式 5ウェイ・7スピーカー・フロア型
使用ユニット 低域用:25cmコーン型x2
中域用:12.5cmコーン型x3
高域用:EMIT型x3(うち1個は背面)
周波数帯域 36Hz~32kHz
インピーダンス
出力音圧レベル 87dB/W/m
クロスオーバー周波数 60Hz、125Hz、1.5kHz、3kHz
外形寸法 幅580x高さ1,220x奥行460mm
重量 約45.5kg