INFINITY Kappa 6.1i
¥120,000(1台、1993年頃)
解説
ニューKappaシリーズで開発された技術を投入して作られたスピーカーシステム。
低域にはIMGコーンによる20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このIMGコーンは、グラファイトファイバーとポリプロピレンの複合材で構成されたコーンで、高音・高圧下(射出成形:Injection
Molding)で成形しています。グラファイト繊維は中心から外周に向かって放射状に配列されており、コーンの無変形動作領域が大きく、コーンのブレークアップのない性能を得ています。
また、特殊設計形状のカービィリニアコーン(運動中のピストンに強度を付加)や強度を上げるために新設計された反転ダストキャップを採用しており、ハイパワー状況下でもコーンの変形を小さく抑えています。
Kappa6.1iでは従来のIMGコーンより軽量・高剛性化(従来より10%軽く、5%硬い)を図っています。
磁気回路にはφ133x19mmのマグネットと綿糸線を使用しています。
中域には初代Kappaシリーズの技術を継承したダイアフラムを採用した7.6cmポリドーム型ユニットを搭載しています。
このダイアフラムは、新開発の超薄膜(0.3mm)のソフト・ポリプロピレン合成のもので、さらにドーム後面にアルミメッシュのディフィーザーが付けられています。このディフィーザーによりダイアフラムに付加をかけずに後面波による周波数特性の乱れを抑えており、フラットな周波数特性と低歪化を図っています。
さらに、ドーム後面に放射された音響エネルギーは、特殊構造の磁気回路中央からバックキャビティに導かれ、背面音圧による影響を排除しています。
このポリドームは、Qの低いドーム状のダイアフラムを大口径エッジ巻ボイスコイルによってドーム外周から駆動してます
高域には円形ダイアフラムを採用した平面駆動型EMIT-Rトゥイーターを搭載しています。
EMIT-Rトゥイーターの平面ダイアフラムは、極薄のKAPTON膜を使用しており、その表面に環状のボイスコイルをフォトエッチングして振動膜を構成し、特殊形状の磁気回路と組み合わせて直接ダイアフラムを駆動しています。
これにより、平坦な周波数特性と広指向特性を獲得しています。
ネットワークの設計はMLSSA FETプログラムを使用したコンピュータで、各スピーカーユニットの動作領域を決定しており、さらに無響室でのリアルタイム微調整を行い、最終的に実際の家庭環境と同じ部屋で、多くの試聴実験を繰返して決定されています。
また、コンデンサや抵抗、コイルなどの個々の部品は主観試聴実験によって厳選されており、内部配線材についてもインフィニティ特別仕様の極太モンスターケーブルを使用しています。
バイアンプに対応しており、中高音にはレベル調整を備えています。
エンクロージャーは内部定在波の影響を最小に抑えるため、コラム状の多角形キャビネットを採用しており、26.5mm厚のバッフル材、天然木ソリッドオーク材、オークつき板貼りを施しています。
また、バスレフダクトをエンクロージャー背面下部に設けてあり、低音と部屋のチューニングには、取り外し可能なスパイクを用いて調節します。
受注モデルとして、ブラック・オークモデルもありました。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型 中域用:7.6cmドーム型 高域用:平面型 |
周波数特性 | 45Hz~35kHz ±2dB |
入力インピーダンス | 6Ω |
出力音圧レベル | 89dB/2.8Vrms |
許容入力 | 150W |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4.5kHz |
外形寸法 | 幅305x高さ940x奥行252mm |
重量 | 18.6kg |
付属 | スパイク |