INFINITY IRS-GAMMA
¥2,000,000(1システム、1988年頃)
¥2,230,000(1システム、1990年頃)
解説
IRS-BETAと同等の音質・分解能を1つエンクロージャー構成で実現させたスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを2個搭載しています。
このユニットにはグラファイト強化ポリプロピレンを採用しています。これはインフィニティが1977年にスピーカーに実用化したポリプロピレンと、高温・高圧のインジェクションモールド工程でポリマーにインジェクトされたグラファイトファイバーで構成された振動板で、振動板の絶対的強度を高めるとともに放射状に成型することでウーファーの動作領域で正確なピストン運動を実現しています。
中低域には特殊型ユニットであるL-EMIMを搭載しています。
L-EMIM(Large Electro-magnetic Induction Midrange)は、特殊設計のマグネット・アセンブリーと30cmウーファーに匹敵する面積を持つダイアフラムで構成されています。構造は他の平面型ドライバーと同様にプッシュプルマグネット構造を採用しており、歪を打消しながら優れた過渡特性を獲得しています。
中域には特殊型ユニットであるEMIMを搭載しています。
EMIMにはダイアフラムに従来の1/2までローマス化したカプトン薄膜を採用しており、ボイスコイルはダイアフラム上にフォトエッチングされています。さらにマグネットにネオジウムを採用することでスピードや能率、リニアリティが改善されています。
高域には特殊型ユニットであるEMITを前面と背面にそれぞれ1個搭載しています。
EMITには超ローマス・カプトン膜ダイアフラムとネオジウムマグネットを採用しており、静電型の特長とされる金属的でしなやかな軽さと、プッシュプルマグネットによる高リニアリティを実現しています。
超高域には特殊型ユニットであるSEMITを搭載しています。
SEMITはEMITをさらに小型にしたもので、超高域再生を可能にしています。
エンクロージャー上部はIRS-BETAと同様にドライバーを空中に吊るすように周囲を刳り抜いた独特の開放型パネルによって無回折化を行っています。
サーボコントロールアンプが付属しています。
サーボアンプでは、ボイスコイルに取り付けられた検出回路でウーファーの動作(加速度)をモニターし、差分サーボアンプによりこの出力を入力波形と比較しています。そして、アンプより出力された電気的入力とウーファーの音響的信号との誤差信号(低域歪)は位相反転されてウーファーのパワーアンプに戻され、歪を打ち消すような動作をします。
IRSシリーズに搭載された最新のサーボシステムでは、15Hzにまで及ぶ低域リニアレスポンスを実現しています。
IRS-GAMMAはバイアンプ駆動となっており、電流供給能力の高い優れたパワーアンプが低域と中高域モジュールのそれぞれに必要です。
機種の定格
方式 | 5ウェイ・7スピーカー・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型x2 中低域用:特殊型(L-EMIM)x1 中域用:特殊型(EMIM) 高域用:特殊型(EMIT)x2(うち背面1) 超高域用:特殊型(SEMIT) |
インピーダンス | 4Ω |
周波数特性 | 15Hz~45kHz ±2dB |
適合入力 | 低域:100W~300W/ch RMS 中高域:75W~300W/ch RMS |
外形寸法 | 幅558x高さ1,600x奥行355mm ベース部:幅558x奥行355mm |
重量 | 63.6kg |
付属 | サーボコントロールアンプ |